3. 131I治療の長期経過観察
131Iを用いた分化型甲状腺癌の治療法では, 遠隔転移, 術後の残存腫瘍や局所再発などの肉眼的病変の治療および再発予防のthyroid remnant ablationが行われている. 131Iの抗腫瘍効果に関しては疑問の余地はないが, 延命率の向上に寄与するか否かについては, 十分明らかとはいえない. 米国ではMazzaferriのグループが, 1950年から412日本核医学会分科会第38回腫瘍・免疫核医学研究会1993年に治療を受けた1,355例を対象に131I治療成績を後ろ向きに検討している. stage 2あるいはstage 3症例における30年間の術後再発率は, 131I治療により3...
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Published in: | 核医学 Vol. 42; no. 4; pp. 411 - 412 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本核医学会
2005
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Summary: | 131Iを用いた分化型甲状腺癌の治療法では, 遠隔転移, 術後の残存腫瘍や局所再発などの肉眼的病変の治療および再発予防のthyroid remnant ablationが行われている. 131Iの抗腫瘍効果に関しては疑問の余地はないが, 延命率の向上に寄与するか否かについては, 十分明らかとはいえない. 米国ではMazzaferriのグループが, 1950年から412日本核医学会分科会第38回腫瘍・免疫核医学研究会1993年に治療を受けた1,355例を対象に131I治療成績を後ろ向きに検討している. stage 2あるいはstage 3症例における30年間の術後再発率は, 131I治療により38%から16%に改善し, 癌死は, 9%から3%に統計学的有意に低下した. 一方, わが国では長期経過観察データは蓄積されていないため, 日本核医学会腫瘍・免疫核医学分科会内に「放射性ヨード内用療法委員会」が設立され, 2004年8月より全国調査が開始された. 1989年12月31日までに初回の131I投与がなされた症例を対象とした生死確認調査を全国の治療施設に依頼した結果, 436症例が17施設から登録された. 手術単独群の治療成績と比較するため, 甲状腺外科研究会の甲状腺悪性腫瘍全国登録データの一部を提供依頼した. 結果の中間報告を本シンポジウムで行う. |
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ISSN: | 0022-7854 |