4. 子宮頸部原発G-CSF産生扁平上皮癌の一例
【症例】76歳女性. 子宮頸部扁平上皮癌IIIB期の診断で重粒子線治療を行った. 入院時の血液検査で白血球数が31,190/mm3(基準値3,000-9,000/mm3)と異常高値であり, G-CSF濃度を測定したところ642pg/ml(基準値39.0pg/ml以下)と異常高値を示し, 子宮頸部腫瘍の免疫染色でG-CSF陽性であった. 治療開始後, 12GyE/4回照射の時点で38.4℃の熱発を認め, 白血球数も40,160/mm3と上昇したが, その後は治療の進行に伴って解熱し, 白血球数も経時的に減少を認めた. 腫瘍は治療終了時点で内診および画像上ほぼ消失し, G-CSFも172pg/ml...
Saved in:
Published in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 61; no. 3; p. 428 |
---|---|
Main Authors: | , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
北関東医学会
2011
|
Online Access: | Get full text |
Tags: |
Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
|
Summary: | 【症例】76歳女性. 子宮頸部扁平上皮癌IIIB期の診断で重粒子線治療を行った. 入院時の血液検査で白血球数が31,190/mm3(基準値3,000-9,000/mm3)と異常高値であり, G-CSF濃度を測定したところ642pg/ml(基準値39.0pg/ml以下)と異常高値を示し, 子宮頸部腫瘍の免疫染色でG-CSF陽性であった. 治療開始後, 12GyE/4回照射の時点で38.4℃の熱発を認め, 白血球数も40,160/mm3と上昇したが, その後は治療の進行に伴って解熱し, 白血球数も経時的に減少を認めた. 腫瘍は治療終了時点で内診および画像上ほぼ消失し, G-CSFも172pg/mlと著減, 治療後1か月後には33.3pg/mlと正常化した. 【結語】G-CSF産生子宮頸癌はこれまでに本邦で9例の報告があるのみの稀な疾患である. 今回, 子宮頸部原発のG-CSF産生扁平上皮癌の一例を経験したので報告した. |
---|---|
ISSN: | 1343-2826 |