3. 不明熱を契機にPET-CTで発見された透析腎癌の一例

症例は63歳男性. 嚢胞腎による慢性腎不全で血液透析中に不明熱を認めCT, MRIで熱源は不明だった. Gaシンチ, PET-CTにて右腎, 肺, 軟部組織などに集積を認めたため軟部腫瘤と腎臓の生検を行い, 紡錘細胞型の腎細胞癌と診断した. 有転移の進行癌で全身状態も不良なため積極的治療は行わなかった. 本症例は元来嚢胞腎があり, エコー, CTを度々行っていたが癌は発見できず, PET-CTで癌を検出した. FDGは尿中に排泄されるためPETは尿路悪性腫瘍の検出には不向きであるという意見も多い. しかし透析患者の場合は正常腎へのFDGの集積は少量であり, PETの有用性は高いと考えられた....

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 61; no. 2; p. 239
Main Authors: 廣野正法, 山本巧, 松本和久, 林雅道, 古作望, 長谷川昭, 中山紘史, 周東孝浩, 古谷洋介, 鈴木和浩, 平戸純子
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2011
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Description
Summary:症例は63歳男性. 嚢胞腎による慢性腎不全で血液透析中に不明熱を認めCT, MRIで熱源は不明だった. Gaシンチ, PET-CTにて右腎, 肺, 軟部組織などに集積を認めたため軟部腫瘤と腎臓の生検を行い, 紡錘細胞型の腎細胞癌と診断した. 有転移の進行癌で全身状態も不良なため積極的治療は行わなかった. 本症例は元来嚢胞腎があり, エコー, CTを度々行っていたが癌は発見できず, PET-CTで癌を検出した. FDGは尿中に排泄されるためPETは尿路悪性腫瘍の検出には不向きであるという意見も多い. しかし透析患者の場合は正常腎へのFDGの集積は少量であり, PETの有用性は高いと考えられた.
ISSN:1343-2826