14. 外来化学療法室におけるビノレルビンの静脈炎対策の検証~進行再発乳がん患者の事例を通して

【はじめに】ピノレルビンの有害事象として早期に血管痛や静脈炎を発症する患者が多く, これに伴う苦痛や精神的ダメージから治療継続が困難となるケースもあり静脈炎対策は重要な課題である. 今回私たちは, 静脈炎対処法の確立に至る経過と効果について具体的な事例を示し報告する. 【対象】当院外来化学療法室で進行再発乳がんに対してビノレルビン治療を実施した32名のうち, 看護介入した23名について検討した. 【方法】ビノレルビンの静脈炎対処法として(1)温罨法(2)ウォッシュアウトを生食500mlに増量(3)太い血管の確保を行った. 【考察・まとめ】3つの対処法を導入後, 静脈炎の発症率が69.6%から1...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 1; p. 113
Main Authors: 鈴木智子, 横田有喜子, 水村志保, 奈良橋健, 瀧澤淳, 小島誠人, 山口真彦, 嶋田烈, 川島実穂, 野崎美和子
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2008
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Summary:【はじめに】ピノレルビンの有害事象として早期に血管痛や静脈炎を発症する患者が多く, これに伴う苦痛や精神的ダメージから治療継続が困難となるケースもあり静脈炎対策は重要な課題である. 今回私たちは, 静脈炎対処法の確立に至る経過と効果について具体的な事例を示し報告する. 【対象】当院外来化学療法室で進行再発乳がんに対してビノレルビン治療を実施した32名のうち, 看護介入した23名について検討した. 【方法】ビノレルビンの静脈炎対処法として(1)温罨法(2)ウォッシュアウトを生食500mlに増量(3)太い血管の確保を行った. 【考察・まとめ】3つの対処法を導入後, 静脈炎の発症率が69.6%から17.4%に軽減し静脈炎による治療中止症例は1例も認められなかったことから, 早期からの静脈炎対処法の導入は有効であると考えられた. 血管痛や静脈炎は患者の不安を起こし治療継続を困難にする有害事象の1つであり, 対処法を確立できたことは, 患者が不安から開放されて治療に臨むことができると考えられた.
ISSN:1343-2826