13.乳癌眼窩内転移の一例

【症例】56歳女性【主訴】右眼瞼腫脹【現病歴】1998年7月乳癌手術(Bt+Ax), 化学療法(CMF6コース)を施行. その後, 外来経過観察中骨転移出現, 放射線治療を施行. 2005年3月頃より右眼瞼腫脹出現, 10月に近医より当院眼科に紹介【所見】右眼瞼上鼻側に腫瘤触知, 視力低下は認めなかった. 【経過】CT, MRIにて右眼窩内に腫瘤を認め, 生検にて乳癌の転移と診断された. 右眼窩にたいし放射線治療46Gy施行, 症状の軽快をえられた. 【考察】悪性腫瘍の眼窩への転移は比較的稀とされている. 眼窩腫瘍のうち転移性病変は1-13%と報告されている. 原発巣としては乳癌が最も多く,...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 57; no. 1; p. 106
Main Authors: 川島実穂, 野崎美和子, 飯室護, 古田雅也, 小島誠人, 上田善彦
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2007
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Summary:【症例】56歳女性【主訴】右眼瞼腫脹【現病歴】1998年7月乳癌手術(Bt+Ax), 化学療法(CMF6コース)を施行. その後, 外来経過観察中骨転移出現, 放射線治療を施行. 2005年3月頃より右眼瞼腫脹出現, 10月に近医より当院眼科に紹介【所見】右眼瞼上鼻側に腫瘤触知, 視力低下は認めなかった. 【経過】CT, MRIにて右眼窩内に腫瘤を認め, 生検にて乳癌の転移と診断された. 右眼窩にたいし放射線治療46Gy施行, 症状の軽快をえられた. 【考察】悪性腫瘍の眼窩への転移は比較的稀とされている. 眼窩腫瘍のうち転移性病変は1-13%と報告されている. 原発巣としては乳癌が最も多く, ついで肺癌, 前立腺癌などがあげられる. 乳癌の眼窩転移出現後の予後は他の癌の眼窩転移に比し良好で適切な時期における診断は重要である. また視力温存のための放射線治療の意義は高い.
ISSN:1343-2826