8.転倒による骨盤骨折を契機に発見された骨転移の1例

症例は62歳女性. 平成16年11月4日にT2N0M0 StageIIAの左乳癌で左乳房温存術(Bp+Ax)を施行した. 術後補助内分泌療法としてアナストロゾール服用中の平成17年11月1日に自宅のベランダで転倒し, 右鼠径部の疼痛を主訴に近医受診後当院の整形外科へ紹介されるも, 骨折の診断に至らずに経過観察となった. また, 同日の乳癌関連腫瘍マーカーはすべて正常範囲内であった. 右鼠径部の疼痛が軽減しないため平成18年1月13日に再度当院整形外科を受診し, 右恥骨骨折及び右恥骨転移の診断を得て, 歩行困難のため1月14日に入院となった. 骨転移の治療としては, ホルモン療法の変更とビスフォ...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 57; no. 1; p. 105
Main Authors: 奈良橋健, 小島誠人, 瀧澤淳, 赤羽理, 泉里豪俊, 山口真彦, 川島実穂, 野崎美和子
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2007
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Description
Summary:症例は62歳女性. 平成16年11月4日にT2N0M0 StageIIAの左乳癌で左乳房温存術(Bp+Ax)を施行した. 術後補助内分泌療法としてアナストロゾール服用中の平成17年11月1日に自宅のベランダで転倒し, 右鼠径部の疼痛を主訴に近医受診後当院の整形外科へ紹介されるも, 骨折の診断に至らずに経過観察となった. また, 同日の乳癌関連腫瘍マーカーはすべて正常範囲内であった. 右鼠径部の疼痛が軽減しないため平成18年1月13日に再度当院整形外科を受診し, 右恥骨骨折及び右恥骨転移の診断を得て, 歩行困難のため1月14日に入院となった. 骨転移の治療としては, ホルモン療法の変更とビスフォスフォネート製剤の開始, また転移部へ50Gyの放射線照射を施行した. 現在は歩行可能となり外来加療継続中である. 今回我々は, 術後経過は順調であったが転倒による骨盤(恥骨)骨折を契機に発見された骨転移の1例を経験したので報告する.
ISSN:1343-2826