22. 乳腺血管肉腫の1例

症例は27歳女性. 左乳房腫瘤を自覚し3ヵ月後近医受診. 細胞診でclassVの診断を得たため精査加療目的に当科紹介受診となった. 左乳房CAE領域に長径75mmの弾性軟, 境界不明瞭, 可動性不良, えくぼ症状陰性の腫瘤を触知し, 明らかな皮膚所見は認められなかった. マンモグラフィーでは境界不明瞭な腫瘤陰影, USでは境界不明瞭多胞性の低エコー腫瘤が認められた. 針生検を行い血管肉腫の確定診断を得た. 乳腺原発の血管肉腫は乳腺悪性腫瘍の0. 1%以下の頻度で, 非常に稀な疾患である. 予後はGradeによって異なり, Grade I, IIは良好, Grade IIIは不良であり, 近年G...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 56; no. 1; p. 69
Main Authors: 萩原靖崇, 武井寛幸, 吉田美穂, 二宮淳, 末益公人, 河野誠之, 下岡華子, 黒住昌史, 上村万理, 井上賢一, 田部井敏夫
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2006
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Description
Summary:症例は27歳女性. 左乳房腫瘤を自覚し3ヵ月後近医受診. 細胞診でclassVの診断を得たため精査加療目的に当科紹介受診となった. 左乳房CAE領域に長径75mmの弾性軟, 境界不明瞭, 可動性不良, えくぼ症状陰性の腫瘤を触知し, 明らかな皮膚所見は認められなかった. マンモグラフィーでは境界不明瞭な腫瘤陰影, USでは境界不明瞭多胞性の低エコー腫瘤が認められた. 針生検を行い血管肉腫の確定診断を得た. 乳腺原発の血管肉腫は乳腺悪性腫瘍の0. 1%以下の頻度で, 非常に稀な疾患である. 予後はGradeによって異なり, Grade I, IIは良好, Grade IIIは不良であり, 近年Grade判定の重要性が指摘されている. 今回我々は, 乳房部分切除術を施行した血管肉腫の1症例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1343-2826