1.乳房温存療法後のMRIの検討

【目的】乳房温存療法後の経過観察における乳腺MRIの有用性につき検討した. 【対象方法】乳房温存療法の経過中に局所に硬結や発赤などをみた26例を対象とした. 放射線治療は原則術後1か月以内に開始し残存乳房に50Gy, 断端陽性例では腫瘍床に10Gyの電子線照射を追加した. MRIは東芝VISART4.1, 1.5Tにて脂肪抑制T1, T2強調像, ダイナミック像, 造影T1強調像を撮像した. 【結果】主な所見は血腫, 異常濃染像であった. 血腫10例中6例では血腫周囲にリング状の造影効果を認めた. 異常濃染像は7例に認めた. 術後18ヶ月以上で異常濃染像がみられた症例は3例のみで, うち2例は...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 55; no. 1; p. 55
Main Authors: 川島実穂, 古田雅也, 飯室護, 岡山絢, 野崎美和子, 小島誠人
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2005
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Summary:【目的】乳房温存療法後の経過観察における乳腺MRIの有用性につき検討した. 【対象方法】乳房温存療法の経過中に局所に硬結や発赤などをみた26例を対象とした. 放射線治療は原則術後1か月以内に開始し残存乳房に50Gy, 断端陽性例では腫瘍床に10Gyの電子線照射を追加した. MRIは東芝VISART4.1, 1.5Tにて脂肪抑制T1, T2強調像, ダイナミック像, 造影T1強調像を撮像した. 【結果】主な所見は血腫, 異常濃染像であった. 血腫10例中6例では血腫周囲にリング状の造影効果を認めた. 異常濃染像は7例に認めた. 術後18ヶ月以上で異常濃染像がみられた症例は3例のみで, うち2例は再発例であった. 照射直後にみられた濃染像が経過観察中に消失した症例もあった. 【結語】MRIは温存療法後乳房の性状の評価に優れていた. 異常所見については治療後期間を考慮し, MRIによる経過観察が有用であった.
ISSN:1343-2826