17. Vp3肝細胞癌の臨床病理学的特徴
【目的】Vp3肝細胞癌(HCC)の臨床病理学的特徴について検討を行った. 【対象と方法】1992年から1998年春での7年間で当院を受診したHCC患者194例のうちVp3HCC30例(治療群17例, 未治療群13例)を対象とした. また治療例については治療効果についても検討した. 【結果】平均年令は58. 8歳(30~78歳)で男性27例, 女性3例であった. ウイルスはHBs抗原陽性5例, HCV抗体陽性18例, HBs抗原HCV抗体陽性1例, HBs抗原HCV抗体共に陰性6例であった. 臨床病期はIが13例, II5例, III12例. 肉眼的進行度はIV-A23例, IV-B7例(肺,...
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Published in: | The KITAKANTO Medical Journal Vol. 50; no. 5; p. 461 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
北関東医学会
2000
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Summary: | 【目的】Vp3肝細胞癌(HCC)の臨床病理学的特徴について検討を行った. 【対象と方法】1992年から1998年春での7年間で当院を受診したHCC患者194例のうちVp3HCC30例(治療群17例, 未治療群13例)を対象とした. また治療例については治療効果についても検討した. 【結果】平均年令は58. 8歳(30~78歳)で男性27例, 女性3例であった. ウイルスはHBs抗原陽性5例, HCV抗体陽性18例, HBs抗原HCV抗体陽性1例, HBs抗原HCV抗体共に陰性6例であった. 臨床病期はIが13例, II5例, III12例. 肉眼的進行度はIV-A23例, IV-B7例(肺, 副腎, 骨). 肉眼分類は結節型13例, 塊状型14例, びまん型3例であった. 食道静脈瘤は初診時F1, RC(+)以上は8例であったがRC(-)症例でも2ヵ月後に(+)となり出血する症例もみられた. 治療群はすべて抗癌剤(epi-ADM, CDDP, SMANCS)の動注(TAI)が行われた. 平均生存期間は治療群6. 9ヵ月(n=17), 未治療群2. 9ヵ月(N=13)であった. 投与薬剤別ではepi-ADM群7. 2ヵ月(n=12), CDDP群16. 3ヵ月(n=2), SMANCS群4. 0ヵ月(n=3). 臨床病期別ではI:8. 9ヵ月, II:3. 4ヵ月, III:7. 5ヵ月. 肉眼的進行度別ではIV-A:5. 4ヵ月, IVB:11. 8ヵ月. 治療効果別ではTEII(壊死効果25%未満)3. 3ヵ月(n=15), TEIII以上32. 2ヵ月(n=2)であった. 【結語】(1)当院ではVp3 HCCの食道静脈瘤合併率は意外と低いと思われたが短期間に悪化する症例もあり注意を要する. (2)TAI施行例ではほとんどの症例が治療効果が低く予後不良であった. 初回治療時壊死率の低い症例では反復動注等の工夫が必要と思われた. |
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ISSN: | 1343-2826 |