15.Stromar tumorに関する1考察
症例は, 81歳女性. 60歳頃より高脂血症を指摘され近医にて治療を受けていた. 平成10年5月30日血液検査施行したところGOT533, GPT704と上昇していたため当科入院となった. その後肝機能は改善した. 入院中胃内視鏡検査・EUSを施行したところ胃体上部前壁に胃粘膜下腫瘍が認められたため, 同年6月30日当院外科にて胃切除術を行った. その検体に対し免疫染色を行ったところCD34・SMA・HHF-85が陽性となりGastrointestinal Stromal Tumor(GIST)と診断された. GISTは免疫染色が可能になったことにより最近注目されるようになってきた疾病概念であ...
Saved in:
Published in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 49; no. 4; pp. 321 - 322 |
---|---|
Main Authors: | , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
北関東医学会
1999
|
Online Access: | Get full text |
Tags: |
Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
|
Summary: | 症例は, 81歳女性. 60歳頃より高脂血症を指摘され近医にて治療を受けていた. 平成10年5月30日血液検査施行したところGOT533, GPT704と上昇していたため当科入院となった. その後肝機能は改善した. 入院中胃内視鏡検査・EUSを施行したところ胃体上部前壁に胃粘膜下腫瘍が認められたため, 同年6月30日当院外科にて胃切除術を行った. その検体に対し免疫染色を行ったところCD34・SMA・HHF-85が陽性となりGastrointestinal Stromal Tumor(GIST)と診断された. GISTは免疫染色が可能になったことにより最近注目されるようになってきた疾病概念である. 特に本来血管マーカーCD34はどの方向にも未熟間葉型細胞に発現する傾向にあり, 分化の方向性(神経原性・筋原性)が決定すると発現しなくなることから, 狭義のGISTの診断に役立つと考えられる, 本症例もCD34が陽性であったことからGISTの診断となったと考えられる. また染色体22番・14番に欠損が見られると言う報告も見られるが本邦では核型に関する報告はmedline(1995~98)にて検索した限りでは見られなかった. 本例においては染色体の欠損等の異常は認められなかったが今後もこのような症例に対し検討が必要であろう. CD34・SMA・HHF-85陽性のGastrointestinal Stromal Tumor(GIST)の1例について報告した. |
---|---|
ISSN: | 1343-2826 |