4. 乳房温存療法後の乳房内再発
過去6年間(1992-1997年)に当院で乳房温存療法を施行した乳癌症例は61例である. 観察期間中央値38.1ヵ月(7-76ヵ月)においての再発は5例で, 乳房内再発が3例(4.9%), 遠隔転移が3例(うち1例は乳房内再発後の遠隔転移)であった. 乳房内再発3例(術後照射施行2例, 非照射1例)について検討した. いずれも初再発部位は乳房内で, 再発までの期間は19-40ヵ月であった. 乳房再発は切除断端近傍の腫瘤により発見された. 全例がsalvage mastectomyを施行しえた. 初回手術時と再発時の病理組織所見を検討した. 症例1(74齢, stage I)の初回時組織像は浸潤...
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Published in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 48; no. 6; p. 508 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
北関東医学会
1998
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Summary: | 過去6年間(1992-1997年)に当院で乳房温存療法を施行した乳癌症例は61例である. 観察期間中央値38.1ヵ月(7-76ヵ月)においての再発は5例で, 乳房内再発が3例(4.9%), 遠隔転移が3例(うち1例は乳房内再発後の遠隔転移)であった. 乳房内再発3例(術後照射施行2例, 非照射1例)について検討した. いずれも初再発部位は乳房内で, 再発までの期間は19-40ヵ月であった. 乳房再発は切除断端近傍の腫瘤により発見された. 全例がsalvage mastectomyを施行しえた. 初回手術時と再発時の病理組織所見を検討した. 症例1(74齢, stage I)の初回時組織像は浸潤優位の硬癌で, 切除断端は陰性(?)で, 再発時は管内成分のない浸潤癌であった. 症例2(54歳, Stage I)は浸潤優位の充実腺管癌, 断端陽性, 再発時は管内成分のない充実腺管癌であった. 症例3(56歳, Tis)は初回手術時がDCIS(comedo), 断端陽性で, 患者が術後照射を拒否した. 19ヵ月後の再発巣は管内成分のない浸潤癌であった. salvage後の予後は病例1, 2が健存(9, 5ヵ月)であるが, 症例3は7ヵ月後に骨・脳転移をきたし, 現在再発生存中である. |
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ISSN: | 1343-2826 |