36. 傍子宮組織浸潤の認められなかった子宮頸癌IVB期症例

局所の腫瘤が非常に小さく, 傍子宮組織に浸潤を認めなかったが, 傍大動脈リンパ節転移を認める子宮頸癌症例を経験したので, 免疫染色の結果を交えて報告する. 症例は61歳女性で, 平成9年2月に血性の帯下を主訴に, 近医を受診. 細胞診でClassVのため, 子宮頸癌として, 3月12日, 当院受診となった. 初診時の内診では膣に約1cm大の腫瘤を認めるのみで, 頸部に腫瘤形成は認めず, 傍子宮組織にも腫瘤は触知しなかったが, 子宮頸部および膣の腫瘤からの生検で扁平上皮癌と診断された. CTで傍大動脈に約2cm大の転移リンパ節が2つ認められ, 子宮頸癌IVB期と診断された. 治療は, 10MVX...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 47; no. 6; pp. 477 - 478
Main Authors: 新部譲, 阿部敦子, 大野達也, 中野隆史, 森田新六, 辻井博彦
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 1997
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Description
Summary:局所の腫瘤が非常に小さく, 傍子宮組織に浸潤を認めなかったが, 傍大動脈リンパ節転移を認める子宮頸癌症例を経験したので, 免疫染色の結果を交えて報告する. 症例は61歳女性で, 平成9年2月に血性の帯下を主訴に, 近医を受診. 細胞診でClassVのため, 子宮頸癌として, 3月12日, 当院受診となった. 初診時の内診では膣に約1cm大の腫瘤を認めるのみで, 頸部に腫瘤形成は認めず, 傍子宮組織にも腫瘤は触知しなかったが, 子宮頸部および膣の腫瘤からの生検で扁平上皮癌と診断された. CTで傍大動脈に約2cm大の転移リンパ節が2つ認められ, 子宮頸癌IVB期と診断された. 治療は, 10MVX線の骨盤部外部照射と192Irの腔内照射とともに, 傍大動脈領域に60Gyの外部照射を施行し, 終了時にはいずれの病巣も消失した. 腫瘍組織の免疫染色(Ki-67, c-erbB2, p53)の結果, Ki-67:index20%, pMI:10, c-erbB2:positive, p53:negativeとなり, 悪性度の高い腫瘍の可能性が示唆された.
ISSN:1343-2826