3.食道粘膜下腫瘍の胸腔鏡下切除

【症例】43歳女性. 胸やけを主訴に近医で上部消化管透視及び内視鏡を受け, 縦隔腫瘍と診断された. 内視鏡的には門歯より約30cmの食道右側やや後壁寄りの粘膜下腫瘍と診断. CT, MRIにて気管分岐下約35mmの右後縦隔に, 35×25×30mm大の食道壁に接した境界明瞭, 辺縁平滑の腫瘍を認め, 気管支嚢腫と診断した. 【手術】後腋窩線第7肋間より胸腔鏡を挿入し, 前腋窩線第5肋間, 後腋窩線第9肋間より鉗子を挿入した. 腫瘤は, 食道の筋層内にあり, 薄い筋層で被われていた. 腫瘤に沿って剥離を進め, 途中嚢腫内容が胸腔内に漏出したが, 可及的に被われてした筋層を残し, 食道粘膜を損する...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 47; no. 3; pp. 201 - 202
Main Authors: 加藤良二, 清水幸夫, 高橋稔, 柳田康弘, 増田典弘
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 1997
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Summary:【症例】43歳女性. 胸やけを主訴に近医で上部消化管透視及び内視鏡を受け, 縦隔腫瘍と診断された. 内視鏡的には門歯より約30cmの食道右側やや後壁寄りの粘膜下腫瘍と診断. CT, MRIにて気管分岐下約35mmの右後縦隔に, 35×25×30mm大の食道壁に接した境界明瞭, 辺縁平滑の腫瘍を認め, 気管支嚢腫と診断した. 【手術】後腋窩線第7肋間より胸腔鏡を挿入し, 前腋窩線第5肋間, 後腋窩線第9肋間より鉗子を挿入した. 腫瘤は, 食道の筋層内にあり, 薄い筋層で被われていた. 腫瘤に沿って剥離を進め, 途中嚢腫内容が胸腔内に漏出したが, 可及的に被われてした筋層を残し, 食道粘膜を損することなく, 胸腔鏡下での摘出に成功した. 食道筋層欠損部は, 3-0PDS(Ski needle)3針の胸腔内結節縫合で修復した. 術後3日目に胸腔ドレーンを抜去し, 13日目に退院した. 病理組織は絨毛円柱上皮で覆われた気管支嚢腫で, 術後食道透視でも狭窄, 通過障害等の異常所見は認めなかった.
ISSN:1343-2826