13.術前針生検で診断された乳房Granular celltumorの1例

乳房の顆粒細胞腫は, 稀な疾患であるが臨床的に乳癌と誤診されやすく, 報告例の多くと乳癌としての手術が行われている. 今回, 術前針生検で顆粒細胞腫と診断し得たので報告する. 症例は50歳の女性で右乳房腫瘤を主訴に来院した. 腫瘤はC領域で1.2×1.0cm, 弾性硬でdimpldng signは陽性であった. マンモグラフイ, エコーでも悪性が疑われた. 穿刺吸引細胞診はgroup IIIであったため, 針生検を行った. HE染色で好酸性腫瘍細胞が増殖し, 脂肪織内への浸潤も認められた. PAS染色, S-100蛋白は陽性で, 上皮細胞のマーカーであるケラチンは陰性であった. 以上より, 顆...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 47; no. 3; p. 184
Main Authors: 吉田美穂, 菅又徳孝, 饗場庄一, 池谷俊郎, 棚橋美文, 富沢直樹, 須納瀬豊, 伊藤秀明
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 1997
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Description
Summary:乳房の顆粒細胞腫は, 稀な疾患であるが臨床的に乳癌と誤診されやすく, 報告例の多くと乳癌としての手術が行われている. 今回, 術前針生検で顆粒細胞腫と診断し得たので報告する. 症例は50歳の女性で右乳房腫瘤を主訴に来院した. 腫瘤はC領域で1.2×1.0cm, 弾性硬でdimpldng signは陽性であった. マンモグラフイ, エコーでも悪性が疑われた. 穿刺吸引細胞診はgroup IIIであったため, 針生検を行った. HE染色で好酸性腫瘍細胞が増殖し, 脂肪織内への浸潤も認められた. PAS染色, S-100蛋白は陽性で, 上皮細胞のマーカーであるケラチンは陰性であった. 以上より, 顆粒細胞腫と診断し, 腫瘍摘出術を行った.
ISSN:1343-2826