P-7)免疫学的便潜血定量検査(OCヘモディアオートII)の基礎的検討と変性Hbの測定について
従来法の免疫学的便潜血定性検査(OCヘモディア)では目視で, ラテックス凝集反応を確認するのに対し, 現行法の免疫学的便潜血定量検査(OCヘモディアオートII)は全自動免疫化学分析装置(OCセンサー)を使用し, ラテックス凝集反応を応用した光学的測定法で散乱光強度変化量からHbをレート的に測定し, データを数値で報告することが出来る. 本法では, 直接Bilおよび間接Bilの影響は認められないが, 血便などのHb濃度が過剰に高値な糞便ではプロゾーン現象を起こすため, 希釈後測定するのが望ましい. さらにタール便などの変性Hbや, 乳びの糞便については抗原抗体反応が抑制され測定値の低下が認められ...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 63; no. 6; p. 538 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
1996
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Summary: | 従来法の免疫学的便潜血定性検査(OCヘモディア)では目視で, ラテックス凝集反応を確認するのに対し, 現行法の免疫学的便潜血定量検査(OCヘモディアオートII)は全自動免疫化学分析装置(OCセンサー)を使用し, ラテックス凝集反応を応用した光学的測定法で散乱光強度変化量からHbをレート的に測定し, データを数値で報告することが出来る. 本法では, 直接Bilおよび間接Bilの影響は認められないが, 血便などのHb濃度が過剰に高値な糞便ではプロゾーン現象を起こすため, 希釈後測定するのが望ましい. さらにタール便などの変性Hbや, 乳びの糞便については抗原抗体反応が抑制され測定値の低下が認められた. 以上のことから考慮して血便, 脂肪便およびタール便などの糞便は測定前に採便容器内の色調などを観察することが必要と考えられる. また, 溶血検体が不溶血検体よりも強度凝集を起こすとの報告もあり, 従来法でのカットオフ値以下の微量な凝集も, 現行法では判定が容易になった. 近年増加傾向にある消化管中, 主に大腸癌など下部消化管出血性病変を伴う疾患の早期発見および, 早期治療のためのスクリーニングテストとして使用するならば, 現在カットオフ値は100ng/mlに設定されているが, 他の施設で60~150ng/mlと広範囲に渡り設定されているのも加味し, 当病院でも臨床側と相談し再設定する必要があると考えられる. |
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ISSN: | 1345-4676 |