22)経口血糖降下剤療法中の老年糖尿病患者における血糖日内変動-特に血糖測定時間の臨床的意義の検討
目的:老年糖尿病患者の血糖日内変動を検討し, 血糖測定の意義をその測定時間の面より検討した. 方法:対象は60歳以上の糖尿病患者56例である. 治療法別に, 食事療法群(D群), トルブタミド群(TO群), グリベンクラミド群(GC群), グリクラジド群(CZ群)の4群に分類. 入院中に各食前食後の8, 10, 12, 14, 18, 20時に加え24, 3, 6, 8時(翌8時)の計10ポイントの血糖値(BS)測定を行った. 8時BSが200mg/dl以上の症例は除外した. 結果:(1)各時間の平均BSが8時および翌8時BSよりも有意に低値となったのは, GC群, GZ群の3時と6時のBSで...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 62; no. 3; p. 301 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
1995
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Summary: | 目的:老年糖尿病患者の血糖日内変動を検討し, 血糖測定の意義をその測定時間の面より検討した. 方法:対象は60歳以上の糖尿病患者56例である. 治療法別に, 食事療法群(D群), トルブタミド群(TO群), グリベンクラミド群(GC群), グリクラジド群(CZ群)の4群に分類. 入院中に各食前食後の8, 10, 12, 14, 18, 20時に加え24, 3, 6, 8時(翌8時)の計10ポイントの血糖値(BS)測定を行った. 8時BSが200mg/dl以上の症例は除外した. 結果:(1)各時間の平均BSが8時および翌8時BSよりも有意に低値となったのは, GC群, GZ群の3時と6時のBSであった. D群およびTO群にはなかった. (2)8時BSが100mg/dl以上で, BSが100mg/dl以下であった測定時間が1時点以上あった症例の頻度は, T群37.5%, GC群26.9%, GZ群14.2%であり, その時間はTO群は3時1例, 6時2例, GC群は18時5例, 0時2例, 3時3例, 6時3例, GZ群は12時1例, 18時1例, 3時1例であった. その時の平均8時BSは, TO群128mg/dl, GC群123mg/dl, GZ群120mg/dlであった. (3)経口血糖降下剤療法例の各時間のBS間の相関係数は8時BSは18.3および6時BSとそれぞれ0.52, 0.67, 0.79であった. 10時BSはこれら時間帯のBSと0.4以下と低値であった. 結論:経口血糖降下剤療法中の老年糖尿病患者は夜間の血糖値も測定が望ましい. 夜間血糖値の予測には朝食前血糖値の測定が有用であり, 朝食後血糖値では困難であった. |
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ISSN: | 1345-4676 |