電動歯ブラシの臨床への応用

電動歯ブラシは操作が簡単であるがプラーク除去効果は明確でない. そこで電動歯ブラシの有効性をみるために(1)ブラッシング技術を身につけていない者での電動歯ブラシ(以下電動)のプラーク除去効果(2)歯周疾患患者における電動の有効性をみるために2つの実験を行った. 〈実験1〉本学歯学部学生で健康な歯周組織と正常な歯列を有する者18名を被験者とし手用歯ブラシ(以下手用)によってO'Learyらのプラークコントロールレコード(以下PCR)20%以下達成経験の有無で群分けした(以下経験者, 未経験者). 実験の24時間前にブラッシングを停止させ実験日当日口腔内診査後ブラッシング操作法ビデオを視...

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Published in:昭和歯学会雑誌 Vol. 11; no. 4; p. 490
Main Authors: 三橋規子, 康野とし恵, 坂田純一, 林宗明, 小勝弘明, 鈴木基之, 宮下元, 長谷川紘司
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 昭和大学・昭和歯学会 1991
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Description
Summary:電動歯ブラシは操作が簡単であるがプラーク除去効果は明確でない. そこで電動歯ブラシの有効性をみるために(1)ブラッシング技術を身につけていない者での電動歯ブラシ(以下電動)のプラーク除去効果(2)歯周疾患患者における電動の有効性をみるために2つの実験を行った. 〈実験1〉本学歯学部学生で健康な歯周組織と正常な歯列を有する者18名を被験者とし手用歯ブラシ(以下手用)によってO'Learyらのプラークコントロールレコード(以下PCR)20%以下達成経験の有無で群分けした(以下経験者, 未経験者). 実験の24時間前にブラッシングを停止させ実験日当日口腔内診査後ブラッシング操作法ビデオを視聴させ5分間のブラッシング後再診査した. 両群は7日後電動と手用を入れ替えた. 評価はCPIを用い被験歯は642_64 46_246, 被験部位はコンタクト直下を含まない1歯6部位とした. 手用では経験者が未経験者より低い値を示し, また未経験者では電動が手用に比較し特に隣接面で有意に低い値であった. 未経験者の電動での値と経験者の手用での値に有意差はなかった. 〈実験2〉本学保存科受診患者で軽度の歯周疾患を有し過去4回以上でPCR20%以下を達成していない者8名に対し, 週1回間隔で4回, 手用での指導を行った. 手用でもPCR20%以下を達成しない者5名を未達成者として被験者とし電動を使用させて評価した. 歯周病患者では手用で8週間経過してもPCR20%以下を達成できない者に電動を導入すると, その最低値は実験前(手用4W)→手用期(4W)→電動期(4W)で平均約49%→約47%→約22%へと減少した. 以上の結果より, 口腔清掃指導未経験者では電動を使用することにより手用で除去困難な隣接面のプラークを経験者の手用とほぼ同様に除去できた. また口腔清掃状態の改善しない患者への電動の導入は有効だった.
ISSN:0285-922X