松果体部embryonal carcinomaの全摘例

症例は8歳男児. 主訴は嘔吐, 頭痛. 1982年12月2日, 嘔気, 嘔吐で発症し本院小児科に入院. その後頭痛も出現し, 傾眠状態となり, 12月24日当科紹介となる. 神経学的所見としては意識傾眠, 上下方注視麻痺, pseudo-Argyll Robertson pupil, precocious pubertyが認められた. CT scanでenhanceされる松果体部腫瘍(4.5×5cm)及び水頭症が確認されV-P shunt施行. 一時意識改善後1週間で半昏睡状態となり, CT scanで腫瘍の増大(5×5.5cm)をみた. 開頭術で迅速標本をembryonal carcinom...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; pp. 159 - 160
Main Authors: 正木伸, 滝本洋司, 山崎麻美, 有田憲生, 森信太郎, 生塩之敬, 最上平太郎
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1983
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Description
Summary:症例は8歳男児. 主訴は嘔吐, 頭痛. 1982年12月2日, 嘔気, 嘔吐で発症し本院小児科に入院. その後頭痛も出現し, 傾眠状態となり, 12月24日当科紹介となる. 神経学的所見としては意識傾眠, 上下方注視麻痺, pseudo-Argyll Robertson pupil, precocious pubertyが認められた. CT scanでenhanceされる松果体部腫瘍(4.5×5cm)及び水頭症が確認されV-P shunt施行. 一時意識改善後1週間で半昏睡状態となり, CT scanで腫瘍の増大(5×5.5cm)をみた. 開頭術で迅速標本をembryonal carcinomaと診断, 全摘出を行った. 標本よりendodermal sinus elementがみられ, その中に抗AFP血清が染色された. 血中AFPは術前1, 460, 術後5.7とほとんど正常化している. 術後, 意識清明, 眼球運動改善, 歩行可能となり, 現在放射線治療施行中である.
ISSN:0470-8105