トルコ鞍内原発性myxomaの1例

トルコ鞍内原発と考えられるmyxomaの1例を経験したので報告した. 症例は38才男性. 1981年8月中旬より, 急激な右眼視力の低下を自覚. 同年9月18日初診時, 右視力は指数弁であり, 右眼の鼻側半盲を認めた. 頭蓋単純写にてトルコ鞍の拡大と, CTにてトルコ鞍より右前上方に進展する病巣を認めた. 脳下垂体腫瘍と診断し, 同年9月24日経蝶形骨洞手術により腫瘍を摘出した. 腫瘍の組織学的検索では, 豊富な基質の中に多角形あるいは紡錘形でPAS陽性の腫瘍細胞の増生が認められた. ヒアルロンダーゼ処理により, 基質のPASおよびアルシアン青陽性部位が消失した. またアルシアン青染色のpH変...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 139
Main Authors: 永谷雅昭, 森信太郎, 最上平太郎, 滝本昇, 玄守鉄
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1982
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Description
Summary:トルコ鞍内原発と考えられるmyxomaの1例を経験したので報告した. 症例は38才男性. 1981年8月中旬より, 急激な右眼視力の低下を自覚. 同年9月18日初診時, 右視力は指数弁であり, 右眼の鼻側半盲を認めた. 頭蓋単純写にてトルコ鞍の拡大と, CTにてトルコ鞍より右前上方に進展する病巣を認めた. 脳下垂体腫瘍と診断し, 同年9月24日経蝶形骨洞手術により腫瘍を摘出した. 腫瘍の組織学的検索では, 豊富な基質の中に多角形あるいは紡錘形でPAS陽性の腫瘍細胞の増生が認められた. ヒアルロンダーゼ処理により, 基質のPASおよびアルシアン青陽性部位が消失した. またアルシアン青染色のpH変化により, メタクロマジアが認められた. 以上の所見より, 腫瘍をmyxomaと診断した. 心エコーグラムを含む全身的検索において, 他部のmyxoma発生を疑わせる所見を認めず, トルコ鞍内原発性myxomaを診断した.
ISSN:0470-8105