脳静脈性血管腫の4例

静脈性血管腫は従来まれなものとされていたが, 近年高解像力CTの普及に伴いその臨床報告例が増加しつつある. 今回我々は4例の静脈性血管腫を経験したので報告した. 1例は左前頭葉内の出血を伴ったもの, 残り3例はいずれも小脳半球内のもので, 1例は出血, 残り2例は椎骨脳底動脈不全症として発見されたものであった. 血管撮影では, いずれも特徴的なcaput-medusae appearanceを呈した. またCTでは, 1本の太い導出静脈に相当すると思われる, よくenhanceされるnodularなHDAを認めた. 小脳静脈性血管腫は現在まで報告は少ないが, これは椎骨脳底動脈不全として見逃さ...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 87
Main Authors: 永田和哉, 田草川豊, 松岡浩司, 植木敬介, 福島孝徳
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1982
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Summary:静脈性血管腫は従来まれなものとされていたが, 近年高解像力CTの普及に伴いその臨床報告例が増加しつつある. 今回我々は4例の静脈性血管腫を経験したので報告した. 1例は左前頭葉内の出血を伴ったもの, 残り3例はいずれも小脳半球内のもので, 1例は出血, 残り2例は椎骨脳底動脈不全症として発見されたものであった. 血管撮影では, いずれも特徴的なcaput-medusae appearanceを呈した. またCTでは, 1本の太い導出静脈に相当すると思われる, よくenhanceされるnodularなHDAを認めた. 小脳静脈性血管腫は現在まで報告は少ないが, これは椎骨脳底動脈不全として見逃されている例が少なくないためと思われ, そのscreeningには高解像力CTが有力であることを述べた. またその手術適応に関しては, 介在脳組織を多く含むこと, asymaptomaticな症例が多いこと, AVMと異なりlow-pressure systemであることから, その大きさと部位を慎重に考慮して決定せねばならないことを強調した.
ISSN:0470-8105