Syringomyeliaを伴った脊髄髄内腫瘍の1例

脊髄髄内腫瘍, 特に神経膠腫がsyringomyeliaを伴うことはまれではないが, 両者の鑑別はしばしば苦慮するところである. 我々は最近, C_2 からTh_5 までの脊髄腫大を示し, C_6 からTh_1 までのgliomaとその上下にcavityを伴った症例を経験した. Spinal CT scanにてC_2 からC_5 までのcavityはcord内low density areaとして認められ, C_6 ・C_7 は充実性であったが, Th_2 以下のcavityはartifactのため描出されなかった. 腫瘍部分は増強効果を認めず, metrizamideを用いたdelayed...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 6
Main Authors: 沢村豊, 杉本信志, 岩崎喜信, 阿部弘, 都留美都雄, 井須豊彦, 宮坂和男
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1982
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Description
Summary:脊髄髄内腫瘍, 特に神経膠腫がsyringomyeliaを伴うことはまれではないが, 両者の鑑別はしばしば苦慮するところである. 我々は最近, C_2 からTh_5 までの脊髄腫大を示し, C_6 からTh_1 までのgliomaとその上下にcavityを伴った症例を経験した. Spinal CT scanにてC_2 からC_5 までのcavityはcord内low density areaとして認められ, C_6 ・C_7 は充実性であったが, Th_2 以下のcavityはartifactのため描出されなかった. 腫瘍部分は増強効果を認めず, metrizamideを用いたdelayed CT scanでもcavity内への造影剤の流入はなく, また上記のcavityがcord内にもっとも明瞭に描出されたのはplane CT scanであった. 椎弓切除術にて腫瘍は全剔され, 組織学的にはependymomaとoligodendrogliomaとのmixed gliomaであり, cavity内は2, 000mg/dl以上の蛋白を含む黄褐色液であった. 術後3ヵ月後の現在, 患者は神経症状を残すことなく自宅生活を送っている.
ISSN:0470-8105