髄内にnidusを有した頸髄動静脈奇形の1手術例

脊髄動静脈奇形(以下spinal AVM)は, 近年その治療成績が向上してきたが, 髄内にnidusを有するspinal AVMに対しては, なおその治療に困難を伴うと考えられる. 今回我々は, 頸髄内にnidusを有したspinal AVMに対する外科的治療を行い, 良好な成績を得たので報告した. 症例は37才男性. 両下肢運動麻痺, 痙性歩行, 上腕三頭筋以下の腱反射亢進, 両下肢の振動覚低下を主訴に来院. 血管撮影にて第5頸髄内にnidusを有するglomus type AVMと診断. 臨床的にはPiaらの言うmiddle stageに属すると考えられた. 本例に対し, main fee...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 5
Main Authors: 村井宏, 宮町敬吉, 斉藤久寿, 小岩光行, 杉本信志, 阿部弘
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1982
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Description
Summary:脊髄動静脈奇形(以下spinal AVM)は, 近年その治療成績が向上してきたが, 髄内にnidusを有するspinal AVMに対しては, なおその治療に困難を伴うと考えられる. 今回我々は, 頸髄内にnidusを有したspinal AVMに対する外科的治療を行い, 良好な成績を得たので報告した. 症例は37才男性. 両下肢運動麻痺, 痙性歩行, 上腕三頭筋以下の腱反射亢進, 両下肢の振動覚低下を主訴に来院. 血管撮影にて第5頸髄内にnidusを有するglomus type AVMと診断. 臨床的にはPiaらの言うmiddle stageに属すると考えられた. 本例に対し, main feederである左甲状頸動脈に人工的塞栓を行い, 第3~7頸椎椎弓切除を施行し, 顕微鏡下にAVMを全摘した. 術後は上記主訴の改善を示し退院. 現在, 元気に日常生活を営んでいる.
ISSN:0470-8105