基底核, 脳幹損傷におけるCT所見と臨床的意義

急性頭部外傷では脳幹損傷を疑わせる臨床症状をみることは多くあるが, CTscan上明白な高吸収域を同部に証明することは意外に少ない. 以下我々の650症例のCT像について述べる. 初めに一次性脳幹損傷について述べる. この臨床的criteriaを次のごとく定めた. すなわち(1)受傷早期より深い意識障害がある. (2)呼吸が不整または無呼吸である. 瞳孔および眼球運動異常がある. (4)除脳除皮質硬直, 両側病的反射陽性または無反応等の両側錐体路症状が陽性である. (5)CT像でテント上に強いmass effectを来す病変のないことである. 以上のcriterlaより選ばれた症例のテント下C...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 19; no. suppl; p. 157
Main Authors: 矢嶋浩三, 小林士郎, 中沢省三
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1979
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:急性頭部外傷では脳幹損傷を疑わせる臨床症状をみることは多くあるが, CTscan上明白な高吸収域を同部に証明することは意外に少ない. 以下我々の650症例のCT像について述べる. 初めに一次性脳幹損傷について述べる. この臨床的criteriaを次のごとく定めた. すなわち(1)受傷早期より深い意識障害がある. (2)呼吸が不整または無呼吸である. 瞳孔および眼球運動異常がある. (4)除脳除皮質硬直, 両側病的反射陽性または無反応等の両側錐体路症状が陽性である. (5)CT像でテント上に強いmass effectを来す病変のないことである. 以上のcriterlaより選ばれた症例のテント下CT所見は4型に分類しえた. すなわち(1)脳幹部にhigh density areaを認めるもの(以下HD)6例, (2)basalcistemがcloseしているもの(以下COM)8例, (3)第4脳室の偏位のあるもの(以下DIS)3例, (4)特に異常所見のみられないもの(以下NP)8例であった.
ISSN:0470-8105