クモ膜下出血症例の検討

クモ膜下出血は, 脳動脈瘤や脳動静脈奇形, 脳内出血等, 種々の原因によって血液がクモ膜下腔に血管外漏出するため生じ20), その原因により治療法もまた決して同一なものではない. したがって, クモ膜下出血の治療にあたる者にとって, 出血源の追究こそがまず最初に課せられる重大な任務といわねばならない. しかし, 臨床的に明白なクモ膜下出血であっても, 出血源が判明せぬ時, 対症的な治療にとどまり, 再出血の予防という我々脳外科医にとっての治療上の重要な課題からみて, 不十分なものとなってしまう. さらに十分な検査を行っても, 出血源の判明せぬ症例の場合, その予後はどうか, 再出血はないのかな...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 19; no. 10; pp. 991 - 998
Main Authors: 榊寿右, 内海庄三郎, 菊池晴彦, 古瀬清次, 唐澤淳, 山形専, 永田泉
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1979
Online Access:Get full text
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Description
Summary:クモ膜下出血は, 脳動脈瘤や脳動静脈奇形, 脳内出血等, 種々の原因によって血液がクモ膜下腔に血管外漏出するため生じ20), その原因により治療法もまた決して同一なものではない. したがって, クモ膜下出血の治療にあたる者にとって, 出血源の追究こそがまず最初に課せられる重大な任務といわねばならない. しかし, 臨床的に明白なクモ膜下出血であっても, 出血源が判明せぬ時, 対症的な治療にとどまり, 再出血の予防という我々脳外科医にとっての治療上の重要な課題からみて, 不十分なものとなってしまう. さらに十分な検査を行っても, 出血源の判明せぬ症例の場合, その予後はどうか, 再出血はないのかなどの点についても今までよく検討のなされた報告は少ない.
ISSN:0470-8105