RINDと脳病変, 加令と側頭動脈

1. 脳血管発作後, 24時間以上数週以内に症状がまったく消失したものをRINDとすると, RINDは60才以上の初発脳血管障害(CVDと略)例588例中23例, 3.9%に認められた. 症状としては右不全片麻痺14例(61%, うち失語を伴うもの1例), 左不全片麻痺7例(30%), 構語障害のみのもの2例である. 1例を除きすべて軽症でpure motor型であった. 病変部位としては, 半卵円中心7例, レンズ核・内包前脚または後脚前半部7例, 大脳皮質・皮質下(限局性)4例, 視床2例, その他3例であった. 50日~23年間の追跡でCVDをその後まったくおこさなかったもの39%, 大...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 16; no. suppl; p. 107
Main Author: 亀山正邦
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1976
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Summary:1. 脳血管発作後, 24時間以上数週以内に症状がまったく消失したものをRINDとすると, RINDは60才以上の初発脳血管障害(CVDと略)例588例中23例, 3.9%に認められた. 症状としては右不全片麻痺14例(61%, うち失語を伴うもの1例), 左不全片麻痺7例(30%), 構語障害のみのもの2例である. 1例を除きすべて軽症でpure motor型であった. 病変部位としては, 半卵円中心7例, レンズ核・内包前脚または後脚前半部7例, 大脳皮質・皮質下(限局性)4例, 視床2例, その他3例であった. 50日~23年間の追跡でCVDをその後まったくおこさなかったもの39%, 大梗塞27%, 大出血17%, 死因とならない梗塞22%で, CVD再発例は高血圧例に多かった. RIND例のうち, はじめと同じ動脈領域に大梗塞をおこしたものは3例にすぎなかった. 2. 60才以上の320剖検例について, 側頭動脈を組織学的に検索した. 動脈の内膜・中膜比(1/M)は加令とともに増加し, また高血圧例で有意に大であった. 動脈壁石灰沈着の高度のものは, 加令に伴って多くなった. 1例に側頭動脈炎が認められた. アテローム硬化はほとんど認められなかった.
ISSN:0470-8105