Percutaneous trigeminal tractotomyの経験

種々の原因による顔面痛の中で鼻咽腔悪性腫瘍に伴って発現する顔面頑痛は薬剤の効果も少なく, 原疾患の状況からガッセル神経節ブロック等も行い難いものが多い. 過去に除痛の目的で観血的trigeminal tractotomyを行ったが侵襲の大きいことより, 我々は最近percutaneous trigeminal tractotomy(以下PTTと略す)を行い, 満足すべき結果を得た. PTTに関する報告がまだ少ないため詳細な方法を紹介するとともに, その結果を検討し報告する. 方法:患者は腹臥位とし, 延髄背側縁が水平となる体位をとる. Myodilを用いてobexおよび延髄背側縁を造影しtar...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 16; no. suppl; p. 89
Main Authors: 原野秀之, 生子明, 福島広巳, 堀純直, 鎌田健一, 篠原利男, 八木久男, 外山香澄
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1976
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Description
Summary:種々の原因による顔面痛の中で鼻咽腔悪性腫瘍に伴って発現する顔面頑痛は薬剤の効果も少なく, 原疾患の状況からガッセル神経節ブロック等も行い難いものが多い. 過去に除痛の目的で観血的trigeminal tractotomyを行ったが侵襲の大きいことより, 我々は最近percutaneous trigeminal tractotomy(以下PTTと略す)を行い, 満足すべき結果を得た. PTTに関する報告がまだ少ないため詳細な方法を紹介するとともに, その結果を検討し報告する. 方法:患者は腹臥位とし, 延髄背側縁が水平となる体位をとる. Myodilを用いてobexおよび延髄背側縁を造影しtargetの位置を計測する. 次にFoxの方法に準じて正中線より約2.5cm外側にて電極針をtargetに向けて刺入する. なおtargetは(1)obexより尾側へ0~10mm, (2)正中線より患側へ0~6.5mm, (3)延髄背側縁より3~4mmの深さとした. 電極針が正確にtarget内に刺入されているか否かを確認する方法としては, (i)X線コントロール, (ii)impedance technique, (iii)電気刺激を用いた. 以上を確認した上でelectrocoagulation(40mA, 20volt, 30”)を行い直径1.5~3mmのlesionを作成した. この間ECG, 呼吸曲線のmonitcringを行った. なお装置として, OWL-cordotomy system model OCS-Iを用いた.
ISSN:0470-8105