肝細胞癌切除術後の左副腎転移に対して切除を行った2例

【目的】今回, 我々は, 肝細胞癌切除術後の左副腎転移に対して切除を行った2症例を経験したので, 若干の考察を加えて報告する. 【症例1】59歳, 男性. 平成6年4月, 肝細胞癌(S4, S5, S6)の診断で, 肝S4, S5切除, 術中エタノール注入(S6)を施行した. 8月, 残肝再発でTAIを施行した. 10月, CTで左副腎に5cmの腫瘍を認めたため, 副腎転移と診断し, 動注化学療法及び放射線治療を行った. しかし, 効果がみられず, 平成7年2月, 左副腎全摘術を施行した. 症例は肝細胞癌切除術後18ヶ月(左副腎全摘後12ヶ月)で癌性胸膜炎及び右副腎転移のため死亡した. 【症例...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 51; no. 3; p. 222
Main Authors: 川田清, 蒔田富士雄, 川島吉之, 松本達彦, 松崎豊, 月岡玄吾, 松井正之
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 01-05-2001
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Description
Summary:【目的】今回, 我々は, 肝細胞癌切除術後の左副腎転移に対して切除を行った2症例を経験したので, 若干の考察を加えて報告する. 【症例1】59歳, 男性. 平成6年4月, 肝細胞癌(S4, S5, S6)の診断で, 肝S4, S5切除, 術中エタノール注入(S6)を施行した. 8月, 残肝再発でTAIを施行した. 10月, CTで左副腎に5cmの腫瘍を認めたため, 副腎転移と診断し, 動注化学療法及び放射線治療を行った. しかし, 効果がみられず, 平成7年2月, 左副腎全摘術を施行した. 症例は肝細胞癌切除術後18ヶ月(左副腎全摘後12ヶ月)で癌性胸膜炎及び右副腎転移のため死亡した. 【症例2】49歳, 男性. 平成10年5月, 肝細胞癌(S5, S8)の診断で, 肝右葉切除施行. 平成11年11月, 再発(S1, S2, S4)のため, 開腹マイクロ波凝固術, エタノール注入, 肝動注リザーバー留置を施行した. その後, 外来で間欠的に肝動注化学療法を行っていたが, 平成12年3月, AFP上昇のため, 持続動注化学療法施行した.
ISSN:1343-2826