2度の胸部大動脈瘤の発生を認めたcervical aortic archの1例

症例は53歳,女性. 28歳時に大動脈弁閉鎖不全症(AR),僧帽弁狭窄症(MS)に対し,大動脈弁置換術,僧帽弁交連切開術を施行した.この際,下行大動脈に嚢状瘤を認め,同部位のグラフト置換術を行った.今回MSの増悪のため入院.胸部X線上,著明な左第1弓の突出がみられ,大動脈造影にて大動脈のkinkingと拡張病変を認め,紡錘状の弓部大動脈瘤を合併したcervical aortic arch (CAA)と診断した. CAAは稀な先天性大動脈異常であり,大動脈瘤の合併も散見されるが,同一患者に2度の大動脈瘤発生がみられた例はなく,貴重な症例と考えられたので報告する....

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Published in:日本内科学会雑誌 Vol. 91; no. 7; pp. 2186 - 2188
Main Authors: 南雄, 一郎, 渡邉, 絵里, 志賀, 剛, 松田, 直樹, 萩原, 誠久, 笠貫, 宏, 川合, 明彦
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本内科学会 10-07-2002
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Description
Summary:症例は53歳,女性. 28歳時に大動脈弁閉鎖不全症(AR),僧帽弁狭窄症(MS)に対し,大動脈弁置換術,僧帽弁交連切開術を施行した.この際,下行大動脈に嚢状瘤を認め,同部位のグラフト置換術を行った.今回MSの増悪のため入院.胸部X線上,著明な左第1弓の突出がみられ,大動脈造影にて大動脈のkinkingと拡張病変を認め,紡錘状の弓部大動脈瘤を合併したcervical aortic arch (CAA)と診断した. CAAは稀な先天性大動脈異常であり,大動脈瘤の合併も散見されるが,同一患者に2度の大動脈瘤発生がみられた例はなく,貴重な症例と考えられたので報告する.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.91.2186