Etoposide 中等量療法による末梢血幹細胞採取

再発難治悪性リンパ腫や若年者症候性多発性骨髄腫に対し,自家末梢血幹細胞移植が標準治療として行われている.移植後の速やかな生着には2.0×106/kgのCD34陽性細胞が必要とされ,末梢血幹細胞採取効率の向上が期待される.当科で2000年12月から2015年3月までに末梢血幹細胞採取(Peripheral blood stem cell harvest: PBSCH)を行った悪性リンパ腫と多発性骨髄腫の82例のうち,動員化学療法としてetoposide中等量療法(350 mg/m2,4日間)を施行した19例を対象として,その有効性と安全性を検討した.15例(79%)で必要量のCD34陽性細胞の採...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 68; no. 1; pp. 43 - 47
Main Authors: 石埼, 卓馬, 横濱, 章彦, 清水, 啓明, 栁澤, 邦雄, 小川, 孔幸, 三井, 健揮, 小磯, 博美, 滝沢, 牧子, 齋藤, 貴之, 村上, 博和, 塚本, 憲史, 半田, 寛
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 01-02-2018
Subjects:
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:再発難治悪性リンパ腫や若年者症候性多発性骨髄腫に対し,自家末梢血幹細胞移植が標準治療として行われている.移植後の速やかな生着には2.0×106/kgのCD34陽性細胞が必要とされ,末梢血幹細胞採取効率の向上が期待される.当科で2000年12月から2015年3月までに末梢血幹細胞採取(Peripheral blood stem cell harvest: PBSCH)を行った悪性リンパ腫と多発性骨髄腫の82例のうち,動員化学療法としてetoposide中等量療法(350 mg/m2,4日間)を施行した19例を対象として,その有効性と安全性を検討した.15例(79%)で必要量のCD34陽性細胞の採取を達成した.白血球数1000/μl以下の期間中央値は5日間(3日~7日)で,37.5度以上の発熱は解析可能な13例中9例に認め,菌血症の1例以外は発熱性好中球減少症で,全例抗菌薬治療が奏効した.Grade 3の口腔粘膜炎を1例に認めたが,それ以外に重篤な有害事象はなかった.Etoposide中等量療法は有効で安全な動員化学療法と考えられた.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.68.43