ABO式血液型の転写調節機構の解明と血液型亜型の解析

[はじめに] ABO式血液型は個人識別に重要な指標として法医学, 犯罪鑑識において利用されている. しかしながら, 細胞特異的発現, コード領域に変異を伴わない亜型等の原因は, 未だ解明されていない. これらを解明するため, ABO式血液型遺伝子の転写調節機構を調べて来た. 近年, 転写調節領域を示唆するDNase I hypersensitive site (DHS)やクロマチン修飾がゲノムワイドに示され, ABO遺伝子周辺にいくつかのエンハンサー候補が示唆されていた. 今回我々は, DHSを基に検索を行い, ABO遺伝子のエンハンサー領域を新規に見出した. これに基づき, 赤血球表面上のB...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 64; no. 1; pp. 97 - 98
Main Author: 佐野, 利恵
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 01-02-2014
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:[はじめに] ABO式血液型は個人識別に重要な指標として法医学, 犯罪鑑識において利用されている. しかしながら, 細胞特異的発現, コード領域に変異を伴わない亜型等の原因は, 未だ解明されていない. これらを解明するため, ABO式血液型遺伝子の転写調節機構を調べて来た. 近年, 転写調節領域を示唆するDNase I hypersensitive site (DHS)やクロマチン修飾がゲノムワイドに示され, ABO遺伝子周辺にいくつかのエンハンサー候補が示唆されていた. 今回我々は, DHSを基に検索を行い, ABO遺伝子のエンハンサー領域を新規に見出した. これに基づき, 赤血球表面上のB抗原量に減少があり, 分泌液中のB抗原量に減少がない, 血液型亜型Bm型の遺伝子解析を行い, 新たな知見を得た.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.64.97