食品添加物の安全性

「1. はじめに」近年, 食にまつわるいろいろな不祥事や偽装事件が発生した. その結果, 消費者は食及び食品関連業界及び国や地方自治体に対しても不信感を持ち始めている. 特に, 食品添加物や農薬のような化学物質には拒否感を感じ排除する傾向にある. また, 一部の食品企業や大手スーパー及びレストランチェーン店などは, 食品添加物不使用や無農薬ということをうたい, 差別化を図っている. そこで, 今回は, 食品添加物の安全性確保の仕組みやその状況を報告する. 「2. 食品添加物とは」食品添加物は, 食品衛生法第4条第2項で「この法律で添加物とは, 食品の製造過程において又は食品の加工若しくは保存の...

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Published in:YAKUGAKU ZASSHI Vol. 131; no. 7; pp. 1027 - 1035
Main Author: 伊藤, 澄夫
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本薬学会 01-07-2011
日本薬学会
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Summary:「1. はじめに」近年, 食にまつわるいろいろな不祥事や偽装事件が発生した. その結果, 消費者は食及び食品関連業界及び国や地方自治体に対しても不信感を持ち始めている. 特に, 食品添加物や農薬のような化学物質には拒否感を感じ排除する傾向にある. また, 一部の食品企業や大手スーパー及びレストランチェーン店などは, 食品添加物不使用や無農薬ということをうたい, 差別化を図っている. そこで, 今回は, 食品添加物の安全性確保の仕組みやその状況を報告する. 「2. 食品添加物とは」食品添加物は, 食品衛生法第4条第2項で「この法律で添加物とは, 食品の製造過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で, 食品に添加, 混和, 浸潤その他の方法によって使用するものをいう」と定義されている. 平成7年5月24日の食品衛生法改正以前では, 食品添加物は「化学的合成品」と「化学的合成品以外の食品添加物(天然添加物)」の2種類に分類されていた.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.131.1027