血栓回収術後に可逆性の血管狭窄を生じた1 例

【目的】急性右中大脳動脈閉塞症に対して血栓回収術を行い,可逆的な血管狭窄病変を生じた 1 例を経験したので報告する.【症例】37 歳女性.突然の左片麻痺にて発症した右中大脳動脈閉塞症に対して,血栓回収術を行った.術直後および急性期の画像では血管狭窄は認めなかったが,術後 3カ月目の画像で右中大脳動脈に血管狭窄を認めた.その後は徐々に狭窄が改善し,経過を通して患者は無症候であった.【結語】血栓回収術後の慢性期に血管狭窄や閉塞を伴うことがあり,手技時の血管内皮損傷が関与している可能性がある.術後の経過観察において留意する必要がある....

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Published in:脳血管内治療 Vol. 6; no. 1; pp. 44 - 48
Main Authors: 伊藤, 真史, 清水, 大輝, 若林, 健一, 大多和, 賢登, 橋田, 美紀, 山本, 諒, 福井, 隆彦, 松山, 知貴, 雄山, 博文
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2021
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Description
Summary:【目的】急性右中大脳動脈閉塞症に対して血栓回収術を行い,可逆的な血管狭窄病変を生じた 1 例を経験したので報告する.【症例】37 歳女性.突然の左片麻痺にて発症した右中大脳動脈閉塞症に対して,血栓回収術を行った.術直後および急性期の画像では血管狭窄は認めなかったが,術後 3カ月目の画像で右中大脳動脈に血管狭窄を認めた.その後は徐々に狭窄が改善し,経過を通して患者は無症候であった.【結語】血栓回収術後の慢性期に血管狭窄や閉塞を伴うことがあり,手技時の血管内皮損傷が関与している可能性がある.術後の経過観察において留意する必要がある.
ISSN:2423-9119
2424-1709
DOI:10.20626/nkc.cr.2021-0002