小脳虫部中心に限局性の圧排所見を認めた後頭蓋窩髄膜腫例の ENG 検討

「はじめに」髄膜腫は, 通常, 成人 (30~60歳, 主に老齢者に多く, 男女比は1:2) にみられ, 全頭蓋内脳腫瘍中20%前後と最も多い良性腫瘍である. 本腫瘍は, arachnoid villiまたは髄膜より発生するが, 発生部位別では傍矢状部に25%と最も多く好発し, その他, 大脳鎌, 大脳半球部, 嗅脳溝, 鞍結節, 蝶形骨隆起, Sylvius溝, 側脳室 (三角部), 小脳テント部, 小脳橋角部, 斜台, 静脈洞孔, 大後頭孔, 脊髄などさまざまな部位に認められる. ただ, 小脳テント部や小脳橋角部など, いわゆる後頭蓋窩の髄膜腫に関しては, 全髄膜腫中でも10%以下と比較的...

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Published in:Equilibrium Research Vol. 76; no. 1; pp. 17 - 25
Main Authors: 横田, 淳一, 山口, 洋子
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: Kyoto 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 01-01-2017
日本めまい平衡医学会
Japan Science and Technology Agency
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Description
Summary:「はじめに」髄膜腫は, 通常, 成人 (30~60歳, 主に老齢者に多く, 男女比は1:2) にみられ, 全頭蓋内脳腫瘍中20%前後と最も多い良性腫瘍である. 本腫瘍は, arachnoid villiまたは髄膜より発生するが, 発生部位別では傍矢状部に25%と最も多く好発し, その他, 大脳鎌, 大脳半球部, 嗅脳溝, 鞍結節, 蝶形骨隆起, Sylvius溝, 側脳室 (三角部), 小脳テント部, 小脳橋角部, 斜台, 静脈洞孔, 大後頭孔, 脊髄などさまざまな部位に認められる. ただ, 小脳テント部や小脳橋角部など, いわゆる後頭蓋窩の髄膜腫に関しては, 全髄膜腫中でも10%以下と比較的発生頻度は少ない. また, この小脳テント部や小脳橋角部の髄膜腫ではめまい症状がしばしばみられるが, 意外にも, 小脳テント部に関連するめまいに関して詳細な神経耳科学的検討を行った報告例は文献的に著者の調べ得た限り認められなかった.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.76.17