我々のトップダウン方式による言語指導を受けて就学した人工内耳装用児の実態

我々のトップダウン方式による言語指導を受け, 人工内耳を装着した難聴児のうち, 学齢期にある27名について就学先, コミュニケーション及び学業の実態を調査した。27名中15名は通常小学校, 10名は聾学校, 1名は特別支援学級に在籍し, 残り1名は身体的事情により就学猶予していた。人工内耳装着前のコミュニケーションは手指手段中心であったが, 術後24名は聴覚口話に移行し, 3名は手話中心である。後者3名のうち1名はauditory neuropathyを有し, 他の2名には自己中心性及びこだわりの強い行動特性が見られ, 我々はこれら3名を視覚依存型と分類してその背景について考察を加えた。これら...

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Published in:AUDIOLOGY JAPAN Vol. 55; no. 2; pp. 152 - 158
Main Authors: 田中, 美郷, 芦野, 聡子, 小山, 由美, 吉田, 有子, 針谷, しげ子
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本聴覚医学会 2012
日本聴覚医学会
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Summary:我々のトップダウン方式による言語指導を受け, 人工内耳を装着した難聴児のうち, 学齢期にある27名について就学先, コミュニケーション及び学業の実態を調査した。27名中15名は通常小学校, 10名は聾学校, 1名は特別支援学級に在籍し, 残り1名は身体的事情により就学猶予していた。人工内耳装着前のコミュニケーションは手指手段中心であったが, 術後24名は聴覚口話に移行し, 3名は手話中心である。後者3名のうち1名はauditory neuropathyを有し, 他の2名には自己中心性及びこだわりの強い行動特性が見られ, 我々はこれら3名を視覚依存型と分類してその背景について考察を加えた。これらの知見を総括すると, 我々のトップダウン方式によると早期手指法導入は聴覚口話の発達を妨げないだけでなく, インクルージブ教育が叫ばれる今日, 言語指導法としてむしろ合理的といえる。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.55.152