頸動脈ステント留置後に脳塞栓症とステント内腔の高輝度エコー突出物を生じた特発性血小板減少性紫斑症の1例
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の既往がある79歳女性.進行性の無症候性右頸動脈狭窄症に対して頸動脈ステント留置術(CAS)を実施した.術前,狭窄病変のプラークは頸動脈エコーにて高輝度であり,MRIプラークイメージングにてT1WI等信号を呈していた.術後,新たな症候は出現しなかったが,翌日の頭部MRI拡散強調画像にて右大脳半球の多発高信号域,頸動脈エコーにてステントのストラット破損を伴わないステント内の高輝度突出物を認めた.1週間,抗凝固療法を追加したが,三次元回転アンギオグラフィーと血管内超音波にて突出物は残存しており,ステント留置の追加にて消失した.高輝度エコープラークでは硬い成分が示唆...
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Published in: | 脳卒中 Vol. 44; no. 1; pp. 34 - 40 |
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Main Authors: | , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2022
日本脳卒中学会 |
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Summary: | 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の既往がある79歳女性.進行性の無症候性右頸動脈狭窄症に対して頸動脈ステント留置術(CAS)を実施した.術前,狭窄病変のプラークは頸動脈エコーにて高輝度であり,MRIプラークイメージングにてT1WI等信号を呈していた.術後,新たな症候は出現しなかったが,翌日の頭部MRI拡散強調画像にて右大脳半球の多発高信号域,頸動脈エコーにてステントのストラット破損を伴わないステント内の高輝度突出物を認めた.1週間,抗凝固療法を追加したが,三次元回転アンギオグラフィーと血管内超音波にて突出物は残存しており,ステント留置の追加にて消失した.高輝度エコープラークでは硬い成分が示唆され,CAS後にストラット破損の内腔突出物を生じにくい.本例における高輝度エコープラークの形成と,CAS後の脳塞栓症とステント内突出物の合併には,ITPが関与した可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10801 |