めまい症例におけるアレキシサイミア

「はじめに」めまい疾患はストレスや不安など心理的因子に強く影響を受けることはよく知られており, メニエール病では性格が発症要因としても報告されている1)2). アレキシサイミアとは1970年代にSifneosによって提唱された概念であり, 心身症患者の特徴とされていた3). アレキシサイミアとは具体的には1)自分の感情や身体の感覚に気づいたり, 区別したりすることが困難であり, 2)感情を表現することが難しく, 3)空想力に乏しい, また4)自己の内面性よりも外的な事実へ関心が向かう(機械的思考), などの心理的特徴を指している. アレキシサイミアの傾向の高い症例は, 情動を気持ちとしてよりも...

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Published in:Equilibrium Research Vol. 68; no. 6; pp. 447 - 451
Main Authors: 角南, 貴司子, 山本, 秀文, 古下, 尚美, 坂下, 哲史, 加藤, 匠子, 山根, 英雄
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 2009
日本めまい平衡医学会
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Summary:「はじめに」めまい疾患はストレスや不安など心理的因子に強く影響を受けることはよく知られており, メニエール病では性格が発症要因としても報告されている1)2). アレキシサイミアとは1970年代にSifneosによって提唱された概念であり, 心身症患者の特徴とされていた3). アレキシサイミアとは具体的には1)自分の感情や身体の感覚に気づいたり, 区別したりすることが困難であり, 2)感情を表現することが難しく, 3)空想力に乏しい, また4)自己の内面性よりも外的な事実へ関心が向かう(機械的思考), などの心理的特徴を指している. アレキシサイミアの傾向の高い症例は, 情動を気持ちとしてよりも直接的な身体症状や生理反応として体験することが特徴とされ, 摂食障害患者や慢性疼痛患者で有意に高い結果が報告されている4)5). 今回われわれは, めまい患者におけるアレキシサイミアの傾向, およびアレキシサイミアがめまいの自覚や経過に与える影響についての検討を行ったので報告する.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.68.447