マイクロ CT を用いた Pendred 症候群モデルマウスの迷路骨包および耳石形態の検証
「緒言」ペンドレッド症候群は最も高頻度に認められる遺伝性難聴の一つで, 常染色体劣性遺伝形式をとり平衡障害や前庭水管拡大を合併する. 本症候群はSLC26A4変異によって発症し, 進行性あるいは変動性難聴を呈し, ふらつきや回転性めまい発作も伴う. ふらつきや回転性めまいは, 頭部外傷や感冒が誘因となって引き起こされることもあり, 臨床上の特徴とされている. 聴平衡覚障害の病態として, 拡大した前庭水管を介した頭蓋内圧の易伝達性や, 内リンパ嚢の高張液の逆流による機械的なあるいは浸透圧による内耳の障害などが推測されているが, 前庭水管を外科的にふさいでも症状の消失を認めず, 前庭水管拡大の程度...
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Published in: | Equilibrium Research Vol. 79; no. 4; pp. 236 - 243 |
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Main Authors: | , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
31-08-2020
日本めまい平衡医学会 |
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Summary: | 「緒言」ペンドレッド症候群は最も高頻度に認められる遺伝性難聴の一つで, 常染色体劣性遺伝形式をとり平衡障害や前庭水管拡大を合併する. 本症候群はSLC26A4変異によって発症し, 進行性あるいは変動性難聴を呈し, ふらつきや回転性めまい発作も伴う. ふらつきや回転性めまいは, 頭部外傷や感冒が誘因となって引き起こされることもあり, 臨床上の特徴とされている. 聴平衡覚障害の病態として, 拡大した前庭水管を介した頭蓋内圧の易伝達性や, 内リンパ嚢の高張液の逆流による機械的なあるいは浸透圧による内耳の障害などが推測されているが, 前庭水管を外科的にふさいでも症状の消失を認めず, 前庭水管拡大の程度と症状が相関しないことなどから, 否定的な意見も多い. 一方, 前庭水管拡大を伴う症例の眼振所見として, 多くの症例で頭位眼振もしくは頭位変換眼振が認められ, 方向交代性の頭位眼振を示すこともあり, 良性発作性頭位めまいと同様の病態が関係している可能性が示唆されている. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.79.236 |