Distal Venous Arterializationで救肢した重症虚血肢の1例

重症虚血肢にはdistal bypassが困難で下肢切断に至る症例もある.今回,足部難治性潰瘍に対してDistal Venous Arterialization(DVA)を用いて救肢した重症虚血肢1例を経験した.症例は62歳男性で左第4.5趾基部に難治性潰瘍を認め当科紹介受診した.左後脛骨動脈閉塞病変に対する血管内治療が不成功のため,同側大伏在静脈を用いて左膝下膝窩動脈−足底動脈バイパス術を行った.吻合部末梢のrun-off不良でグラフト血流維持が困難のため術中にDVAに術式変更し,足関節やや末梢の足背の表在静脈に末梢吻合した.潰瘍部壊死組織のデブリードマンおよび局所陰圧閉鎖療法で術後6カ月目...

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Published in:日本血管外科学会雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 45 - 48
Main Authors: 磯田, 竜太郎, 森田, 一郎, 平林, 葉子, 杭ノ瀬, 昌彦, 猶本, 良夫
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2018
日本血管外科学会
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Description
Summary:重症虚血肢にはdistal bypassが困難で下肢切断に至る症例もある.今回,足部難治性潰瘍に対してDistal Venous Arterialization(DVA)を用いて救肢した重症虚血肢1例を経験した.症例は62歳男性で左第4.5趾基部に難治性潰瘍を認め当科紹介受診した.左後脛骨動脈閉塞病変に対する血管内治療が不成功のため,同側大伏在静脈を用いて左膝下膝窩動脈−足底動脈バイパス術を行った.吻合部末梢のrun-off不良でグラフト血流維持が困難のため術中にDVAに術式変更し,足関節やや末梢の足背の表在静脈に末梢吻合した.潰瘍部壊死組織のデブリードマンおよび局所陰圧閉鎖療法で術後6カ月目に潰瘍は完全治癒した.末梢吻合部動脈の高度石灰化やrun-off不良でdistal bypassが困難な症例に対してDVAは救肢の選択肢となりうる.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.17-00037