肺切除術後早期からの肺機能回復過程と運動耐容能の変化

肺切除術後早期の肺機能回復過程および術前後における運動耐容能の変化を明らかにすること,また肺機能回復率の関連因子を明らかにすることを目的に研究を行った。術後肺機能はFEV1.0では術後12病日まで,VCは術後8病日まで術後予測肺機能値よりも有意に低下しており,この間での積極的な理学療法の展開する必要性が示唆された。また術後FEV1.0の回復率には年齢,BMI,座位・歩行開始日数が関与しており,術後可及的早期より離床を促す必要性が示唆された。運動耐容能は術前後では有意な差はなく,術後早期より運動療法を積極的に行ったことにより,術後運動耐容能の低下が最小限で抑えることができたことによるものと推測さ...

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Published in:理学療法科学 Vol. 21; no. 4; pp. 381 - 386
Main Authors: 森沢, 知之, 金子, 純一朗, 鈴木, あかね, 村山, 史雄, 樋渡, 正夫, 丸山, 仁司
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 理学療法科学学会 2006
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Description
Summary:肺切除術後早期の肺機能回復過程および術前後における運動耐容能の変化を明らかにすること,また肺機能回復率の関連因子を明らかにすることを目的に研究を行った。術後肺機能はFEV1.0では術後12病日まで,VCは術後8病日まで術後予測肺機能値よりも有意に低下しており,この間での積極的な理学療法の展開する必要性が示唆された。また術後FEV1.0の回復率には年齢,BMI,座位・歩行開始日数が関与しており,術後可及的早期より離床を促す必要性が示唆された。運動耐容能は術前後では有意な差はなく,術後早期より運動療法を積極的に行ったことにより,術後運動耐容能の低下が最小限で抑えることができたことによるものと推測された。以上の結果より,術後の理学療法の展開としては,術後早期より離床を促し,運動療法を積極的に行うことが重要と考えられた。術後肺機能の回復率を高めること,術後合併症を防ぐ可能性があることが明らかになった。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.21.381