インターフェロン療法著効後6年目に肝細胞癌が認められたC型慢性肝炎の1切除例 : 本邦報告例も含めて

症例は66歳, 男性.1993年3月 (60歳時), C型慢性肝炎CH (F3/A2) のため, インターフェロン (IFN) 療法を受けた.HCV-RNAは持続的に陰性となり, 血清ALT値は正常化し, 著効と判断した.1999年10月に血清PIVKA-II値が上昇し, 腹部CT検査で肝S4に約2cmの腫瘤を認め, 肝細胞癌 (HCC) の診断で, 経カテーテル的肝動脈塞栓療法後に手術を施行した.病理学的には, 癌部は偽腺管型の中分化型HCCであった.非癌部には, 線維性架橋の形成を認めるが, 壊死・炎症所見は軽度でCH (F2/A1) と判断した.IFN療法著効例においてHCCを認めた場合...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 51; no. 6; pp. 395 - 399
Main Authors: 饗場, 正明, 蒔田, 富士雄, 村岡, 正人, 金古, 美恵子, 松本, 達彦, 松崎, 豊, 竹吉, 泉, 大和田, 進, 森下, 靖雄
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 01-11-2001
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Summary:症例は66歳, 男性.1993年3月 (60歳時), C型慢性肝炎CH (F3/A2) のため, インターフェロン (IFN) 療法を受けた.HCV-RNAは持続的に陰性となり, 血清ALT値は正常化し, 著効と判断した.1999年10月に血清PIVKA-II値が上昇し, 腹部CT検査で肝S4に約2cmの腫瘤を認め, 肝細胞癌 (HCC) の診断で, 経カテーテル的肝動脈塞栓療法後に手術を施行した.病理学的には, 癌部は偽腺管型の中分化型HCCであった.非癌部には, 線維性架橋の形成を認めるが, 壊死・炎症所見は軽度でCH (F2/A1) と判断した.IFN療法著効例においてHCCを認めた場合, 非癌部は肝硬変に陥っていることが少なく, 肝機能も比較的良好なことから血液検査や画像検査を3~6ヶ月ごとに行い早期にHCCを発見し治療することが重要である.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.51.395