マウス骨髄中胚葉系幹細胞の同定と分離の試み

本研究は, 造血幹細胞の純化に使用されている手法を用いて, マウスの骨髄から中胚葉系幹細胞を純化・同定するためのマーカーを明確にすることを目的とし, 以下の実験を行った.生後8~12週齢C57BL/6マウスの脛骨, 大腿骨から採取した骨髄単核細胞をすぐさまDNA結合蛍光色素Hoechst33342と蛍光標識した種々の細胞表面抗原の抗体で染色後, フローサイトメトリー (FACS) で解析した結果, 造血幹細胞やその他の幹細胞が濃縮して存在することが報告されているHoechst33342弱陽i生細胞群 (SidePopulation : SP細胞) で選択的に発現する4種類の細胞表面抗原 (CD...

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Published in:昭和歯学会雑誌 Vol. 26; no. 3; pp. 225 - 234
Main Authors: 小出, 容子, 松崎, 有未, 金城, 謙太郎, 幸池, 浩子, 小林, 誠, 長谷川, 紘司
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 昭和大学・昭和歯学会 2006
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Description
Summary:本研究は, 造血幹細胞の純化に使用されている手法を用いて, マウスの骨髄から中胚葉系幹細胞を純化・同定するためのマーカーを明確にすることを目的とし, 以下の実験を行った.生後8~12週齢C57BL/6マウスの脛骨, 大腿骨から採取した骨髄単核細胞をすぐさまDNA結合蛍光色素Hoechst33342と蛍光標識した種々の細胞表面抗原の抗体で染色後, フローサイトメトリー (FACS) で解析した結果, 造血幹細胞やその他の幹細胞が濃縮して存在することが報告されているHoechst33342弱陽i生細胞群 (SidePopulation : SP細胞) で選択的に発現する4種類の細胞表面抗原 (CD29, CD49e, CD117, CD162) が見出された.また, FACSで分取したこれらの抗原の陽性細胞はFibronectinでコートした培養皿への付着性を有していた.さらに, この付着細胞で多分化能を検討すると, 骨, 脂肪, 血管内皮への分化が認められた.以上の結果から, これら4種類の細胞表面抗原は骨髄から中胚葉系幹細胞を予期的に同定・純化するマーカーとして有用である可能性が高いことが示された.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.26.225