深部静脈血栓症における肺血栓塞栓症と担癌患者の関連性

【目的】当院における深部静脈血栓症(Deep Vein Thrombosis: DVT)と肺血栓塞栓症(Pulmonary Thromboembolism: PTE)および担癌患者との関連性について調査することを目的とする.【方法】2018年1月から2018年12月までの期間に下肢静脈エコーの依頼があった患者668名を対象とした.評価項目は,①血栓の存在部位とPTEの関連性,②血栓の性状とPTEの関連性,③DVTと担癌患者との関連性,④DVTと分子標的薬との関連性とした.【結果】DVT陽性患者31.6%,PTE陽性患者4.6%,担癌患者42.1%,分子標的薬使用患者1.6%であった.血栓の存在...

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Published in:日本血管外科学会雑誌 Vol. 30; no. 4; pp. 213 - 218
Main Authors: 松野, 寛子, 渡邉, 恒夫, 高田, 彩永, 中山, 純里, 篠田, 貢一, 野久, 謙, 渡邉, 崇量, 大倉, 宏之
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 06-08-2021
日本血管外科学会
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Summary:【目的】当院における深部静脈血栓症(Deep Vein Thrombosis: DVT)と肺血栓塞栓症(Pulmonary Thromboembolism: PTE)および担癌患者との関連性について調査することを目的とする.【方法】2018年1月から2018年12月までの期間に下肢静脈エコーの依頼があった患者668名を対象とした.評価項目は,①血栓の存在部位とPTEの関連性,②血栓の性状とPTEの関連性,③DVTと担癌患者との関連性,④DVTと分子標的薬との関連性とした.【結果】DVT陽性患者31.6%,PTE陽性患者4.6%,担癌患者42.1%,分子標的薬使用患者1.6%であった.血栓の存在部位間の比較では,下腿や大腿と比較して腸骨領域で,血栓性状の検討では慢性期血栓例と比較して急性期および亜急性期の血栓例において有意にPTEの陽性率が高かった(p<0.01).一方,担癌患者かどうか,および分子標的薬使用の有無ではDVTの頻度に差を認めなかった.【結論】本検討において,下肢静脈エコーでの血栓の存在部位およびその性状がPTE発生に関連していることが示唆された.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21-00019