自動車運転中に事故を起こし救急搬送された超急性期脳梗塞に対する機械的血栓回収療法
当院において,2010~2019年の10年間で運転中発症かつ目撃のある事故を起こした急性期(発症≤24h)脳梗塞9例中,2例で機械的血栓回収術(MT)が施行された.MTでは可及的時間短縮が必要だが,事故後症例では時間短縮の弊害となる行為が存在する.上記2例を後方視的に検討,時間短縮における課題を同定することを研究目的とした.事故発生~再開通までの時間経過は,①事故発生~病着,②病着~穿刺,③穿刺~再開通の3つに分類できる.①では,脊椎保護に要した時間の他,事故処理という社会的行為も早期発見・搬送の妨げとなった.②では,全身外傷除外目的で行った画像検査や頭部MRI施行に時間を要した.院内体制の整...
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Published in: | 脳卒中 Vol. 45; no. 6; pp. 453 - 459 |
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Main Authors: | , , , , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2023
日本脳卒中学会 |
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Summary: | 当院において,2010~2019年の10年間で運転中発症かつ目撃のある事故を起こした急性期(発症≤24h)脳梗塞9例中,2例で機械的血栓回収術(MT)が施行された.MTでは可及的時間短縮が必要だが,事故後症例では時間短縮の弊害となる行為が存在する.上記2例を後方視的に検討,時間短縮における課題を同定することを研究目的とした.事故発生~再開通までの時間経過は,①事故発生~病着,②病着~穿刺,③穿刺~再開通の3つに分類できる.①では,脊椎保護に要した時間の他,事故処理という社会的行為も早期発見・搬送の妨げとなった.②では,全身外傷除外目的で行った画像検査や頭部MRI施行に時間を要した.院内体制の整備により②における時間短縮は可能であり,ハイブリッド救急初療室導入等の代替手段も考慮される.今後も安全を担保しつつ,時間短縮を図るという二重の目標に向け,経験の蓄積が必要である. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.11123 |