新生児聴覚スクリーニングからの受診後に自己中断した症例の検討
要旨 : 新生児聴覚スクリーニング (NHS) 後の経過を明らかにするために, NHS から受診した小児について精査後の経過と通院を自己中断した症例の詳細を検討した。NHS でリファーとなり精査目的で受診した328例中, 最終診断別で「左右とも難聴 (n=96) 」の6.3%, 「一側難聴 (n=118) 」の11.0%, 「両側難聴 (n=110) 」の10.0%, 「不明 (n=4) 」の25.0%, 全症例中31例9.5%が中断していた。受診中断群は非中断群に比べて合併症・出生時リスク因子または難聴家族歴のいずれかを持つ割合が有意に高かった (p=0.006)。両側難聴で中断した11例中...
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Published in: | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 61; no. 6; pp. 568 - 575 |
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Main Authors: | , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28-12-2018
日本聴覚医学会 |
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Summary: | 要旨 : 新生児聴覚スクリーニング (NHS) 後の経過を明らかにするために, NHS から受診した小児について精査後の経過と通院を自己中断した症例の詳細を検討した。NHS でリファーとなり精査目的で受診した328例中, 最終診断別で「左右とも難聴 (n=96) 」の6.3%, 「一側難聴 (n=118) 」の11.0%, 「両側難聴 (n=110) 」の10.0%, 「不明 (n=4) 」の25.0%, 全症例中31例9.5%が中断していた。受診中断群は非中断群に比べて合併症・出生時リスク因子または難聴家族歴のいずれかを持つ割合が有意に高かった (p=0.006)。両側難聴で中断した11例中9例が中等度難聴で, 補聴器装用前に中断した7例はすべて中等度難聴であった。合併症や難聴の家族歴がある例や中等度難聴例には, 早期から療育機関や保健師などの関連機関と情報を共有して慎重に対応する必要がある。またすべての児に対して, 受診中断に備えて聴覚言語発達チェックリストを渡し, 健診を確実に受けるよう勧めるべきである。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.61.568 |