難聴で発症した前方循環のクモ膜下出血の1例

59歳,高血圧を既往に持つ在日韓国人女性.突然の頭痛,難聴,歩行困難にて当院へと救急搬送された.CTにて左側頭葉に血腫を伴う Fisher group 3 のクモ膜下出血を認め,CT angiography(CTA)にて左中大脳動脈分岐部に動脈瘤を認めた.同日,左前頭側頭開頭にてクリッピングを施行した.術後,運動性失語と感音性難聴を認めた.保存的加療によって聴力は改善した.後方循環の脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血による難聴はよく知られているが,前方循環の動脈瘤破裂によるクモ膜下出血での難聴は報告されていない.頭蓋内圧亢進と内耳内の血腫による障害が原因として考えられる....

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Published in:脳卒中 Vol. 44; no. 2; pp. 169 - 173
Main Authors: 青山, 慎平, 若林, 拓也, 尾市, 雄輝, 織田, 雅, 山添, 直博, 齊木, 雅章
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本脳卒中学会 2022
日本脳卒中学会
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Description
Summary:59歳,高血圧を既往に持つ在日韓国人女性.突然の頭痛,難聴,歩行困難にて当院へと救急搬送された.CTにて左側頭葉に血腫を伴う Fisher group 3 のクモ膜下出血を認め,CT angiography(CTA)にて左中大脳動脈分岐部に動脈瘤を認めた.同日,左前頭側頭開頭にてクリッピングを施行した.術後,運動性失語と感音性難聴を認めた.保存的加療によって聴力は改善した.後方循環の脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血による難聴はよく知られているが,前方循環の動脈瘤破裂によるクモ膜下出血での難聴は報告されていない.頭蓋内圧亢進と内耳内の血腫による障害が原因として考えられる.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10944