肺塞栓症を合併した血栓性膝窩静脈瘤に対して静脈瘤切除+パッチ形成術を施行した1例

63歳女性.息切れを主訴に救急受診,造影CTで肺塞栓(右肺動脈下葉枝と左肺動脈舌区枝に血栓)の診断.入院後リバーロキサバン30 mgで治療開始.1週間後,左肺動脈の血栓消失,肺換気・血流シンチで右肺S9/10相当部にミスマッチは残存.入院後12日目に退院,エコーで深部静脈本幹に血栓はなく,左膝窩囊状静脈瘤(28×20 mm)を認めた.内部に血栓残存,リバーロキサバン15 mg継続して当院紹介.外来で瘤内血栓は一旦消失したが手術前日のエコーで再発を認めた.手術は膝窩静脈瘤切除+大伏在静脈パッチ形成術を施行,術後合併症なく術後8日目に退院.病理組織診断では静脈瘤に炎症細胞浸潤はなくフィブリン血栓を...

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Published in:静脈学 Vol. 34; no. 1; pp. 1 - 5
Main Author: 松田, 靖弘
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本静脈学会 10-02-2023
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Description
Summary:63歳女性.息切れを主訴に救急受診,造影CTで肺塞栓(右肺動脈下葉枝と左肺動脈舌区枝に血栓)の診断.入院後リバーロキサバン30 mgで治療開始.1週間後,左肺動脈の血栓消失,肺換気・血流シンチで右肺S9/10相当部にミスマッチは残存.入院後12日目に退院,エコーで深部静脈本幹に血栓はなく,左膝窩囊状静脈瘤(28×20 mm)を認めた.内部に血栓残存,リバーロキサバン15 mg継続して当院紹介.外来で瘤内血栓は一旦消失したが手術前日のエコーで再発を認めた.手術は膝窩静脈瘤切除+大伏在静脈パッチ形成術を施行,術後合併症なく術後8日目に退院.病理組織診断では静脈瘤に炎症細胞浸潤はなくフィブリン血栓を含む拡張した静脈を認めるのみであった.退院後リバーロキサバン15 mgを1年間継続,中止後2年間は深部静脈血栓症の再発は認めていない.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.22-24