膜迷路障害モデルにおける前庭器の変化 各半規管におけるクプラの変化の検討

「はじめに」クプラは脆弱なため形態学的評価が困難であるが, 我々は墨汁染色などによりクプラの様々な形態や動きを観察してきた1)2). 耳毒性薬剤の内耳注入後にクプラが頂部, 辺縁から収縮するのを確認した3). また, 膨大部有毛細胞とクプラの障害度が並行せず, クプラ単独障害の存在も示唆した. 我々の以前の検討では, 膜迷路障害モデルにおけるクプラの収縮変化を報告したが4), 今回は同モデルにおけるクプラの障害を各半規管間で比較したので報告する. 「対象と方法」1)クプラ変化の観察 ウシガエル(Rana catesbeiana)を用いて, 我々の以前の報告と同様に内耳障害モデルを作成した4)....

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Published in:Equilibrium Research Vol. 72; no. 6; pp. 478 - 484
Main Authors: 許斐, 氏元, 近藤, 貴仁, 鈴木, 衞, 大塚, 康司, 稲垣, 太郎, 清水, 重敬, 小川, 恭生
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 01-12-2013
日本めまい平衡医学会
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Description
Summary:「はじめに」クプラは脆弱なため形態学的評価が困難であるが, 我々は墨汁染色などによりクプラの様々な形態や動きを観察してきた1)2). 耳毒性薬剤の内耳注入後にクプラが頂部, 辺縁から収縮するのを確認した3). また, 膨大部有毛細胞とクプラの障害度が並行せず, クプラ単独障害の存在も示唆した. 我々の以前の検討では, 膜迷路障害モデルにおけるクプラの収縮変化を報告したが4), 今回は同モデルにおけるクプラの障害を各半規管間で比較したので報告する. 「対象と方法」1)クプラ変化の観察 ウシガエル(Rana catesbeiana)を用いて, 我々の以前の報告と同様に内耳障害モデルを作成した4). エーテル麻酔後に開口し, 耳管内側の口蓋粘膜に小切開を加えた. 粘膜を剥離して口蓋骨を直径約2-3mm除去した後, 球形嚢耳石を指標として迷路骨包に極細針を刺入した. 刺入は膜迷路を通過して骨迷路背側に達するまでとした.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.72.478