Cinoxacinの急性および亜急性毒性試験

キノロンカルボン酸系抗菌剤Cinoxacin (CINX) についてNalidixic acid (NA) を対照検体として急性および亜急性毒性試験を行なった。 急性毒性試験 各投与経路におけるLD50値のうち, 最も高値を示したのは経口投与でついで皮下, 静脈内投与の順であり, 種差・系統差はみられず, 性差もなかった。 経口投与におけるCINXのLD50値はNAの1.25~2倍であった。 亜急性毒性試験 SDラットにCINX20, 43, 100, 230, 529mg/kg/日を35日間連続経口投与した亜急性毒性試験においてみられた一般症状および諸検査の変化は次のとおりであった。 1.5...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 28; no. Supplement4; pp. 406 - 439
Main Authors: 奈良間, 功, 土谷, 稔, 佐野, 正樹, 斎藤, 実, 原田, 喜男
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1980
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Description
Summary:キノロンカルボン酸系抗菌剤Cinoxacin (CINX) についてNalidixic acid (NA) を対照検体として急性および亜急性毒性試験を行なった。 急性毒性試験 各投与経路におけるLD50値のうち, 最も高値を示したのは経口投与でついで皮下, 静脈内投与の順であり, 種差・系統差はみられず, 性差もなかった。 経口投与におけるCINXのLD50値はNAの1.25~2倍であった。 亜急性毒性試験 SDラットにCINX20, 43, 100, 230, 529mg/kg/日を35日間連続経口投与した亜急性毒性試験においてみられた一般症状および諸検査の変化は次のとおりであった。 1.529mg/kg/日投与群では投与直後の摂水量の増加, 被毛の失沢・粗剛, 自発運動の抑制がみられ, 投与第5~23日に雄9例, 雌4例が全身性循環障害により死亡した。 2.43mg/kg/日以上の投与群で結晶尿, 100mg/kg/日以上の投与群では, 尿潜血, 腎機能低下, 腎重量増加を伴う尿路障害, 230mg/kg/日以上の投与群では, 体重抑制, 尿量・摂水量の増加, 被毛の失沢・粗剛, 軽度の貧血および骨ずいの変化などがみられた。 これらの諸変化は529mg/kg/日投与群の腎障害を除いて休薬によりほぼ回復した。 3. NA529mg/kg/日投与群ではCINX投与群でみられた結晶尿, 摂水量増加, 尿路障害以外の変化はすべて認められ, これに加えて脱毛と筋弛緩が観察された。 4. CINX 43mg/kg/日投与群ではCINX結晶尿はみられたものの, 一般症状, 血液, 生化学, 臓器重量, 組織学的検査などにおいていずれも異常は認められなかった。したがって, 本試験における最大無作用量は43mg/kg/日と推定された。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.28.Supplement4_406