Stroop test実施中の中高年線維筋痛症患者における前頭前野の活動について 近赤外分光法を用いた測定と考察

〔目的〕中高年線維筋痛症患者と中高年健常者のStroop test時における前頭前野の活動を近赤外分光法で測定し,結果を比較・検討した.〔対象と方法〕対象を中高年線維筋痛症患者と中高年健常者の2群に分けてStroop testを行い,前頭前野の活動を近赤外分光法で測定した.酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb値),およびtask-induced deactivationの傾向を表すΔoxy-Hb値を2群および前頭前野3領域で比較した.〔結果〕Stroop test時の右背外側前頭前野のoxy-Hb値は,中高年線維筋痛症患者に比べて中高年健常者で有意に高かった.中高年線維筋痛症患者の前頭極のΔoxy...

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Published in:理学療法科学 Vol. 38; no. 5; pp. 338 - 344
Main Authors: 藤田, 信子, 池田, 耕二, 松野, 悟之, 三木, 健司, 仙波, 恵美子
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 理学療法科学学会 20-10-2023
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Summary:〔目的〕中高年線維筋痛症患者と中高年健常者のStroop test時における前頭前野の活動を近赤外分光法で測定し,結果を比較・検討した.〔対象と方法〕対象を中高年線維筋痛症患者と中高年健常者の2群に分けてStroop testを行い,前頭前野の活動を近赤外分光法で測定した.酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb値),およびtask-induced deactivationの傾向を表すΔoxy-Hb値を2群および前頭前野3領域で比較した.〔結果〕Stroop test時の右背外側前頭前野のoxy-Hb値は,中高年線維筋痛症患者に比べて中高年健常者で有意に高かった.中高年線維筋痛症患者の前頭極のΔoxy-Hb値は,左右の背外側前頭前野領域より高い傾向を示した.〔結語〕Stroop test中,中高年線維筋痛症患者には中高年健常者のような前頭前野の活動はみられず,加えてデフォルトモードネットワークの抑制機能の低下が示唆された.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.38.338