L-105の内科領域感染症に対する臨床的検討

L-105は新しく開発されたcephem系剤であり, 好気性, 嫌気性のグラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い抗菌スペクトラムを有している。今回われわれは, 本剤の抗菌力とともに臨床効果を検討した。 L-105の最小発育阻止濃度は, S. dureus (50株), E. coli (50株), K. pneumoniae (50株), P. mirabilis (50株) で, それぞれ1.56, 0.2, 1.56, 0.39μg/mlの成績を得た。 臨床効果の検討では細菌性肺炎5例, 慢性気管支炎1例, 急性腎盂腎炎4例'急性前立腺炎1例の合計11例を対象とした。1日使用量は1...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 34; no. Supplement3; pp. 278 - 284
Main Authors: 松本, 文夫, 桜井, 磐, 今井, 健郎, 児玉, 和也, 相沢, 純雄, 高橋, 孝行, 杉浦, 英五郎, 田浦, 勇二, 平林, 哲郎
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1986
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Description
Summary:L-105は新しく開発されたcephem系剤であり, 好気性, 嫌気性のグラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い抗菌スペクトラムを有している。今回われわれは, 本剤の抗菌力とともに臨床効果を検討した。 L-105の最小発育阻止濃度は, S. dureus (50株), E. coli (50株), K. pneumoniae (50株), P. mirabilis (50株) で, それぞれ1.56, 0.2, 1.56, 0.39μg/mlの成績を得た。 臨床効果の検討では細菌性肺炎5例, 慢性気管支炎1例, 急性腎盂腎炎4例'急性前立腺炎1例の合計11例を対象とした。1日使用量は1~4gであり7~13日間にわたり点滴静注で使用した。その結果, 著効3例, 有効6例, やや有効2例の結果を得た。原因菌が判明したものは7例あり, S. pneumoniae, H. influenueおよびE. coliであったが, 細菌学的効果は全例有効であった。一方, 副作用および本剤に起因する臨床検査値の異常はみられなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.34.Supplement3_278